この講義では物質の熱力学的性質と磁性について講義する。講義の前半では物質の様々な性質の温度変化について熱力学的立場から議論する。講義の後半では、結晶場中での電子状態および磁気スピン間の相互作用を取扱い、さらに様々な物質の磁性について考察する。
本講義を履修することによって以下の能力を修得する。
1)物質の性質を熱力学観点から議論することが可能になる。
2)磁性物質における磁気秩序化について説明できるようなる。
熱力学、統計力学、固体物性、磁性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基本的に講義形式で行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 熱力学入門 | 熱力学の基本を説明できる。 |
第2回 | 熱力学法則 | 熱力学の諸法則を説明できる。 |
第3回 | エントロピーと統計力学 | 統計熱力学の基本を説明できる。 |
第4回 | 物質中での熱励起 | フォノンやその他の固体中での熱励起を説明できる。 |
第5回 | 物質の熱容量 | 熱容量に関するデバイモデルを説明できる。 |
第6回 | 相転移の熱力学 | 種々の相転移について説明できる。 |
第7回 | 相転移の微視的モデル | 固体中の相転移の機構について説明できる。 |
第8回 | 磁性入門 | 量子力学の基本を説明できる。 |
第9回 | 角運動量と量子数 | 物質中の電子の波動関数を説明できる。 |
第10回 | 結晶場と電子 | エネルギー準位の結晶場分裂を説明できる。 |
第11回 | 分子軌道と交換相互作用 | 分子結合の量子力学について説明できる。 |
第12回 | 分子場理論1:常磁性と強磁性 | 磁気相転移の基本について説明できる。 |
第13回 | 分子場理論1:反強磁性とフェリ磁性 | 固体中での種々の磁気秩序について説明できる。 |
第14回 | 種々の磁気相転移 | 固体中の多様な磁気秩序状態について説明できる。 |
指定なし
指定なし
最終試験
特に無し。
川路均 (kawaji[at]msl.titech.ac.jp・5313)
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