近年のDNA配列決定技術の向上によりDNA塩基配列やタンパク質アミノ酸配列は爆発的に増加しており、この生物情報を処理するバイオインフォマティクス(生命情報学)は重要な分野となっている。本講義ではこのバイオインフォマティクスの基礎と応用について,生命科学・計算科学の立場から解説する。まず、バイオ領域ではない学生向けに、分子生物学の基礎を教授する。次いで微生物ゲノム解析、タンパク質アミノ酸配列の解析、計算科学を利用したタンパク質科学、バイオインフォマティクスを利用した植物科学、メタゲノム解析、DNAコンピューターの各トピックについて紹介する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 分子生物学の基礎を理解する
2) バイオインフォマティクスの概要を説明できる
3) バイオインフォマティクスを利用した研究分野についての先端的知識を習得する
バイオインフォマティクス、分子生物学、ゲノム解析、ホモロジーサーチ、立体構造予測、分子軌道計算、分子力学計算、分子動力学シミュレーション、トランスクリプトーム、共発現解析、植物ホルモン、メタゲノム、合成生物学、構成的手法
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
6名の教員が各一回の講義を担当し、パワーポイントを用いた解説を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 分子生物学の基礎と微生物ゲノム解析(福居) | 分子生物学の基礎を理解できる。また、微生物ゲノム解析の概要と方法論を説明できる。 |
第2回 | タンパク質のホモロジーサーチと立体構造予測(太田(元)) | バイオインフォマティクスの基礎となる配列比較法と、その応用としての立体構造予測を理解できる。 |
第3回 | 計算化学のタンパク質科学への応用(櫻井) | 分子軌道計算や分子動力学シミュレーションのタンパク質科学への応用の現状を理解できる。 |
第4回 | バイオインフォマティクスを用いた植物科学研究(太田(啓)) | 植物科学研究においてバイオインフォマティクスがどのように生かされているか理解できる。 |
第5回 | メタゲノミクスの基礎と応用(黒川) | メタゲノムの基礎と応用を理解できる |
第6回 | DNAコンピュータと生命をつくる(木賀) | 合成生物学の発想を理解できる。また、生体高分子を組み合わせた人工システムの例について説明できる。 |
特になし。
必要に応じ講義開始時に資料を配付する。講義で使用するパワーポイントスライドは可能な限り事前にOCW-iにより公開する。
各講義の最後に行う小テストの合計により評価する。
特になし
本講義は東京工業大学-東京医科歯科大学連携プログラム「医歯工学特別コース」の講義として、キャンパスイノベーションセンター(田町キャンパス)で8月〜10月の特定の週に集中的に実施される。1回の講義は135分である。詳細な実施スケジュールは本特別コースホームページに掲載された時間割を参照すること。