2018年度 最適制御(工学院共通)   Optimal Control (for School of Engineering)

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開講元
工学院
担当教員名
VERRIEST ERIK ISIDOOR 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
XEG.S403
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年7月12日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

現在の制御工学には,物理システムの安定化や外乱,出力抑制などを目的とする従来型の制御系の上位にある階層の制御が求められています.そこで求められる目的の代表的な記述方式が最適化であり,事実多くの先端研究もその方向に流れています.また,最適化ほど幅広い工学分野で利用されている方法論は少なく,制御工学を超えて,これから出会う問題を解決するためにもこれを修めることは有益です.講義では,最適化理論の定式化および凸解析や双対性,最適性条件といった基礎から出発し,中盤以降は古典的な最適制御論に加えて,双対分解,モデル予測制御,マルコフ連鎖,マルコフ決定過程,ゲーム理論など,先端研究に関わりの深い話題を選抜して講述します.

到達目標

【到達目標】本講義を履修することによって,最適化問題の定式化とどのような状況で必要になるのかを知り,実際に計算機を用いてそれを解くことができるようになることを目的とします.これにより,制御工学のみならず,最適化の理論・手法が利用される広範な工学分野へ応用できるようになることを目標とします.さらに,現在先端研究で広く用いられている手法の基盤理論を知ることで,受講生自身が先端的な研究成果をあげることができるようになることを目指します.
【テーマ】前半は最適化理論の基礎を講義し,中盤以降は広範な学問領域の中から特に先端研究および現在の社会的課題に関わりの深い話題を選抜して講義します.

キーワード

最適制御,最適化,凸最適化,双対性,モデル予測制御,マルコフ過程

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

1) 毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。
2) 毎回の授業で出席を取ります。
3) 各回の最後に示されるReading Assignmentについて、予習しておくことが必要です。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 平衡点,線形化,Hartman-Grossman theorem, パラメータ最適化問題 最適化問題の定式化と例題を説明できるようになる
第2回 等式拘束・凸性を持つ最適化問題, Lagrange 乗数法 凸性の概念を理解し、凸最適化問題の性質を説明できるようになる
第3回 不等式拘束を持つ最適化問題,Kuhn-Tucker 条件, 最小感度設計 双対理論と最適解が満たすべき条件を説明できるようになる
第4回 離散時間最適制御,変分原理,最大エントロピー問題 劣勾配法と呼ばれる最適化手法を理解し、それに基づく分散最適化手法である双対分解を説明できるようになる
第5回 連続時間最適制御,終端拘束 最適制御問題の定式化と解法、およびモデル予測制御の概念を説明できるようになる
第6回 終端時間拘束のない最適制御問題,最短時間問題,最適フィードバック制御 モデル予測制御の原理を理解する
第7回 経路拘束のある動的計画法,ポントリャーギンの最大原理 ポントリャーギンの最大原理を理解し,応用できるようになる
第8回 2次評価関数を用いた線形最適化,LQ制御,リッカチ方程式 LQ制御の仕組みを理解し,モデル予測制御に拡張する

教科書

講義ノートを配布します。

参考書、講義資料等

参考:Applied Optimal Control by A. Bryson and Y.-C. Ho

成績評価の基準及び方法

最適化の考え方,理論,解法及びそれらの応用に関する理解度を評価する.中間および最終レポートによって成績を評価する.

関連する科目

  • SCE.C301 : 線形システム制御論
  • SCE.C302 : システムモデリング
  • SCE.C401 : システムの同定と推定
  • SCE.C502 : ハイブリッドシステム制御
  • SCE.C453 : ネットワークシステム制御

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

SCE.C.301,SCE.C.302を履修しているを履修していること,または同等の知識があること。

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