情報通信産業の第一線で活躍している研究開発技術者を講師陣に迎え,現代の通信システムの現状と課題を概説していただく.
前半では,通信システムの役割とニーズを考え直しながら,音声/オーディオ/ビデオの諸伝送方式と伝送コスト,伝送品質・提示品質について概観する.
これらの解説を通して受講者は,国際標準であるMPEGをはじめとする各種符号化方式の基本原理から,その応用までを学び,通信システムで基本となる標準化作業や差異化部分の作り込み,それらを守る知的財産権の確保に関して,重要性を理解することができる。
後半では通信ネットワークの概要について解説した後,コア系とアクセス系の主要通信システ ム、及びIPネットワークについて解説する。さらに通信ネットワーク上で構築される各 種通信サービスの動向、及び通信ネットワークの将来展望についても論ずる.
1) 通信システムの発展の歴史と、現在研究されている技術、今後の動向が分かるようになる。
2) 標準化作業や知的財産権の重要性を知ることができる。
3)有線(特に、光ファイバー)通信と移動無線通信のそれぞれの得失を理解し、現在、構築されている通信ネットワークを支えるテクノロジーを理解する。
4)最新の国際会議報告などを使用して、最先端の技術動向、将来の方向性と課題について理解を深める。
カラー画像処理,符号化, 映像情報圧縮,MPEG, 標準化,音響信号処理技術, 音声処理, 無線通信,光ファイバー通信,半導体レーザー/フォトダイオード,光スイッチ,エルビウムドープファイバー光増幅器,光波長多重技術,光分岐挿入ノード,光ディジタルコヒーレント送受信器,PON(Passive Optical Network),セルラー携帯電話,LTE,5G,多元接続技術,変復調技術,誤り訂正符号/復号,音声符号化技術,電波伝搬,アンテナ,MIMO,電力増幅器,PLLシンセサイザ,フィルタ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
前半は, NEC中央研究所の講師陣が担当し,後半は富士通研究所の講師陣が担当する。それぞれ専門とするテーマをオムニバス形式で講義する。質疑は講義中に何時でも受け付け,質疑応答を通して正しい理解に導く。また、必要に応じて講義中に実物を教材として回覧して、視覚・触覚的なアプローチにより理解、認識を促進する。
講義では講義資料を投影し図表を豊富に使用して各技術について、後に述べる授業計画に沿って説明して行く。質疑は講義中に何時でも受け付け、質疑応答の会話を通じて正しい理解に導く。また、講義中に実物を教材として回覧して、視覚・触覚的なアプローチにより理解、認識を促進する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イノベーションと標準化 | 通信システムの歴史を学ぶ.イノベーションと標準化の重要性を理解する. |
第2回 | 画像処理技術とその応用 | カラー画像処理、高品質化画像処理を学び、その応用事例を理解する. |
第3回 | 映像圧縮符号化技術 | 国際標準MPEGの技術を中心に、映像情報圧縮の基本原理を理解する. |
第4回 | 映像圧縮符号化の並列プロセッサへの実装技術 | 映像圧縮の実用化上の課題と、GPUなどの並列プロセッサを活用した解決技術を理解する |
第5回 | 音響信号処理技術 | Audio端末、音声通話端末における音響的課題とそれを解決する音響信号処理技術を理解する |
第6回 | 音声処理技術 | 人や機械との音声によるコミュニケーションを支える音声処理技術の基礎を理解する |
第7回 | 周波数有効利用に向けた無線通信技術 | 無線通信技術の最新動向とモバイルデータトラフィック増大に対する取り組みを理解する |
第8回 | 通信ネットワークの概要 | 通信ネットワークの概要を理解する |
第9回 | 光通信技術 (1) | 光通信の基礎と時分割多重技術を理解する |
第10回 | 光通信技術 (2) | 光波長分割多重技術を理解する |
第11回 | 光通信技術 (3) | フォトニックネットワーク技術を理解する |
第12回 | 移動通信技術 | 移動通信技術を理解する |
第13回 | 通信ネットワークと移動通信の将来展望 | 通信ネットワークと移動通信の将来展望を理解する |
第14回 | 見学会(1) | 先端産業における研究所を見学する |
第15回 | 見学会(2) | 先端産業における研究所を見学する |
指定しない
毎回講義資料を提供する。
講義終了後、課題を出し、提出されたレポート内容により、学習目標の到達度を評価する。
特になし
isao[at]sp.ce.titech.ac.jp
事前にメールでアポイントメントが確保されている場合に限り,講義終了後に時間を確保する