電気回路は電磁気学と並ぶ電気電子工学の重要科目です。電気回路第二においては,電気回路第一で身に付けた電気回路に対する基礎的な理解をベースとして,電気・電子工学における様々な分野において必要となる電気回路についての動作原理と基礎的な設計法を学びます。フィルタは特定の周波数特性を実現する回路ですがポールやゼロの位置の配置により周波数特性を作り出します。このフィルタに例を取り,ポールやゼロの位置と周波数特性,LCラダーによる回路の実現方法,演算増幅器と積分器を用いた回路の実現方法を学びます。また,伝送線路の電信方程式,過渡応答,反射と透過特性を,更に電力分野の基礎となる3相交流やスイッチング電源についても基本概念と基礎的な設計について学びます。
この学習と通じて,重要な応用分野における電気回路の構成と動作原理を理解し,基礎的な回路設計ができることをねらいにしています。
本科目を履修することで次の能力を修得する。
1)フィルタの構成と動作原理を説明できるとともに設計ができる
2)伝送線路の電信方程式,過渡応答,反射と透過特性を説明できる
3)3相交流を説明できる
4)スイッチング電源の動作原理を説明できるとともに設計できる
フィルタ,バタワースフィルタ,2端子パラメータ,演算増幅器,積分器,LCラダー回路,連分数,インピーダンススケーリング,周波数スケーリング,伝送線路,分布定数回路,反射と透過,三相交流,スイッチング電源
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
学生は授業前にOCW-iに掲載する講義資料を読んでおくことが必要である。毎回,講義の最後に課題を課す。学生は課題に対してレポートを作成し,次の講義で提出すること。
また,講義もしくはホームワークにおいてシミュレーションソフトを用いることがある。各自MATLABやLTSpiceを各自のPCにインストールしておくこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 演算増幅器 | 演算増幅器の構成と動作原理が説明できる |
第2回 | 2端子パラメータ | 各種2端子回路パラメータについて説明できるとともに使用できる |
第3回 | フィルタの基礎 | フィルタの役割と基本特性が説明できる |
第4回 | LCラダーフィルタ | LCラダーフィルタおよび連分数展開が説明できるとともにインピーダンススケーリング,周波数スケーリング,バンドパスフィルタへの展開ができる |
第5回 | 積分器を用いたフィルタ | 積分器を用いた能動フィルタが設計できる |
第6回 | これまでのまとめと理解の確認 | フィルタを中心とするこれまでのまとめと理解の確認を行う |
第7回 | 伝送線路と電信方程式 | 伝送線路の電信方程式を立て,それを解くことができる |
第8回 | 伝送線路の過渡応答 | 伝送線路の過渡応答を説明できるとともにそれを使用できる |
第9回 | 伝送線路の反射と透過 | 伝送線路の反射と透過を説明できるとともに,使用することができる |
第10回 | 伝送線路の反射と透過を含む過渡応答 | 伝送線路での反射や透過がある場合の過渡応答を説明できるとともにそれを使用できる |
第11回 | これまでのまとめと理解の確認 | これまでのまとめと理解の確認を行う |
第12回 | 三相交流 | 三相交流とY-Δ変換を説明できる |
第13回 | 三相交流 | 対称三相回路と電力の測定について説明できる |
第14回 | スイッチング電源 | インダクタを用いたスイッチング電源回路を説明できる |
第15回 | スイッチング電源とこれまでのまとめ | インダクタを用いたスイッチング電源回路の設計ができる |
テキストをPDF形式でOCW-iに掲載する。
講義資料をOCW-iに掲載するので,講義前にダウンロードしておくこと。
毎回課題レポートを課し,理解度の確認を2回実施し,期末試験を行う。
配点は,課題レポート20点,理解度の確認試験それぞれ25点、期末試験30点で合計100点で判定する。
特になし。
E-mail: okada[at]ee.e.titech.ac.jp, suzuki.s.av[at]m.titech.ac.jp
随時メールで連絡の上,教員室に来室のこと。
鈴木左文:南9号館8階803号室
岡田健一:南3号館8階812号室