2016年度 数理経済学特講   Advanced Topics in Mathematical Economics

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
経営工学コース
担当教員名
塩浦 昭義 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(W9-626)  金3-4(W9-626)  
クラス
-
科目コード
IEE.B433
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
2016年11月7日
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

この講義では,複数の不可分財(離散財)を扱うオークションについて議論する.そのようなオークションにおいて,財の最適な配分および均衡価格は繰り返しオークションと呼ばれるアルゴリズム(プロトコル)によって求められることが知られている.本講義では,これまでに提案されている幾つかの繰り返しオークションを紹介し,離散最適化の観点から理解する.とくに,このオークションにおいて重要な役割を果たす,効用関数の粗代替性について説明し,離散凹性との関係を示す.

本講義では、離散最適化の理論に関する数学的な研究成果を用いることで,経済学におけるオークションへ新しい視点を与えられる,という面白さを味わってもらうことを目指す.

到達目標

講義の終わりまでに,以下のことができるようになる.
(1)不可分財に関するオークションモデルを説明できるようになる.
(2)粗代替性の概念とその性質を理解できる.
(3)繰り返しオークションがどのようにして均衡価格を求めるのか,説明できるようになる.
(4)繰り返しオークションと最適化アルゴリズムの関係を理解できる.

キーワード

オークション,離散最適化,均衡解,アルゴリズム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の授業では,前半では講義を行い,後半ではその講義内容に関連した演習を行う.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 講義の概要 各授業内で提示します.
第2回 オークションのモデルと粗代替性
第3回 粗代替性と離散凹性
第4回 M凹関数の最大化
第5回 M凸性とL凸性の関係
第6回 L凸関数の最小化
第7回 離散凸関数の双対定理
第8回 繰り返しオークションとリアプノフ関数
第9回 リアプノフ関数とL凸関数
第10回 L凸関数最小化のアルゴリズムの解析
第11回 L凸関数最小化のアルゴリズムの応用(1)
第12回 L凸関数最小化のアルゴリズムの応用(2)
第13回 単一需要オークションへの応用 (1)
第14回 単一需要オークションへの応用 (2)
第15回 講義のまとめ

教科書

とくになし

参考書、講義資料等

参考論文:
K. Murota, A. Shioura, and Z. Yang: Time bounds for iterative auctions: a unified approach by discrete convex analysis, Technical Report METR 2014-39, University of Tokyo, December 2014.

参考図書:
室田一雄: 離散凸解析, 共立出版, 2001
室田一雄: 離散凸解析の考えかた---最適化における離散と連続の数理, 共立出版, 2007
K. Murota: Discrete Convex Analysis, SIAM, 2003
室田一雄, 塩浦昭義: 離散凸解析と最適化アルゴリズム, 朝倉書店, 2013
田村明久: 離散凸解析とゲーム理論, 朝倉書店, 2009

成績評価の基準及び方法

レポートと試験により評価

関連する科目

  • IEE.B337 : 数理経済学
  • IEE.A206 : オペレーションズ・リサーチ 基礎
  • IEE.A330 : オペレーションズ・リサーチ応用
  • IEE.B401 : 上級ミクロ経済学
  • IEE.B403 : 上級非協力ゲーム理論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.

このページのトップへ