2018年度 光情報工学   Optics in Information Processing

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開講元
情報通信コース
担当教員名
山口 雅浩 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(G224)  
クラス
-
科目コード
ICT.H409
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年4月6日
講義資料更新日
2018年8月10日
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

【概要】
まず、ディジタル画像情報の物理的意味を測光学の立場から考え、放射量と測光量の扱いを議論する。次に画像入力・表示システムを理解するために必要となる幾何光学及び収差論、波動光学の基礎、フーリエ変換を用いた光学的イメージング系の解析に関する理論的背景を説明し、カメラ・顕微鏡などといった実例を交えてイメージング系の分解能や被写界深度などの考え方を述べる。また、人間の色覚特性から導かれる色彩科学の基礎理論をもとに、カラー画像の収集・表示システムの原理を紹介する。さらに、幾何光学・波動光学の知識に基づいて、3次元画像情報の収集・表示技術の原理と限界について解説する。
【ねらい】
光を情報伝達媒体として捉え、幾何光学・波動光学・放射測光学の基礎を学ぶことにより、メディア情報処理において重要な構成要素である光学的イメージング系の性質を理解する。メディア情報技術の中核をなす視覚情報は主に光を媒介して伝達されるため、画像・映像システムや光計測などのシステムを扱ううえで必須となる光に関する知識を修得することで、実用的なシステム開発などに必要な技術要素を把握する。

到達目標

本講義を履修することによって、以下の知識と能力を身につける。
1.幾何光学・波動光学・放射量と測光量に関する基礎を説明し、応用できる。
2.光を情報媒体として扱うための概念に基づき、光学的イメージング系の特性を説明できる。
3.実用的なイメージングシステムの開発に必要とされる知識を自ら探索し、応用することができる。

キーワード

放射測光学、幾何光学、収差論、フーリエ光学、結像理論、イメージング系の周波数解析、解像限界、画像における色彩科学、3Dディスプレイ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

配布資料に基づく解説を行うとともに、演習問題により理解を深める。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 画像・映像システムにおける光学 画像処理、画像センシング、映像システムを理解するうえで必要な光学の知識とは何か。
第2回 幾何光学とレンズ系の収差 幾何光学的結像の考え方、光線追跡、近軸近似、収差とは何か。カメラや顕微鏡におけるレンズ設計。
第3回 光の干渉・回折とフーリエ光学 複素振幅による光波の記述、干渉と回折、光の伝搬、角スペクトルを数式で表現せよ。
第4回 波動光学に基づくイメージング系の解析、周波数特性、解像限界 フレネル近似、フラウンホファー近似、波動光学に基づく結像、レンズ系のMTF、解像限界について説明せよ。
第5回 イメージング系の開口数(NA)、焦点深度・被写界深度、計算イメージング NAと分解能・焦点深度・被写界深度の関係を述べよ。計算イメージングの例を説明せよ。
第6回 ライトフィールドとホログラフィー ライトフィールドカメラによるリフォーカシング、インテグラルイメージング、ホログラフィーの原理と応用を説明せよ。
第7回 画像における色情報、カラーディスプレイ 等色関数、色空間、加法混色、色再現、色域。
第8回 総括、期末小テスト

教科書

補足のための資料を配布する。

参考書、講義資料等

J. W. Goodman, "Introduction to Fourier Optics," McGraw-Hill (New York)

成績評価の基準及び方法

到達目標1~3の達成度を演習(40%)及び期末試験(60%)により評価する。

関連する科目

  • ICT.A406 : 人間情報システム概論I
  • ICT.A418 : 人間情報システム概論II
  • ICT.S206 : 信号とシステム解析
  • ICT.S403 : 多次元情報処理
  • ICT.H502 : メディア品質論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に定めない。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

E-mail: yamaguchi.m.aa[at]m.titech.ac.jp

オフィスアワー

電子メールで事前に予約すること。

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