ミクロ経済学を基礎として、環境問題の発生と解決について理論的に明らかにするとともに、環境問題の解決に向けた対策や政策の実践を学ぶことで、理論と実践の関係性やギャップについて理解し、政策においてどのような工夫がなされているかを分析できるようにする。
特に、消費行動ならびに生産行動の各々の視点から環境問題をとらえるとともに、それらを統合する一般均衡の考え方などについて解説を行う。また、具体的に環境問題の解決をデザインするためのシナリオ分析の手法を学ぶことで、問題設定からその解決に向けた政策の立案、実施から評価に至る一連の手法を説明できるようになる。
ミクロ経済学の理論に基づいて、環境問題の発生や解決の仕組みが説明できるようになる。また、実際に生じている環境問題を取り上げることで、理論と現実の関係性、ギャップについて説明できるようになる。
また、特定の環境問題を取り上げ、その解決に向けた対策を提案するとともに、その実施に向けた課題を認識し、どのようにすれば、有効な対策になるかを検討する。
消費行動、生産行動、一般均衡、環境負荷、政策、シナリオ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各回のトピックを、資料をもとに説明する。また、環境問題の設定や解決に向けた評価については、学生によるプレゼンを通じて議論を深める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 家計の特徴と家庭から発生する環境負荷 | 家計の特徴を説明できるようになる |
第2回 | 消費選択 | 消費選択について説明できるようになる |
第3回 | 時間と家計生産に関する理論(1) | 時間と家計生産に関する理論の基礎を説明できるようになる |
第4回 | 時間と家計生産に関する理論(2) | 時間と家計生産に関する理論の応用を説明できるようになる |
第5回 | 時間と家計生産に関する理論(3) | 時間と家計生産に関する理論の応用を引き続き理解する |
第6回 | 消費行動からの環境負荷発生量の推計 | 家計生産理論に基づき消費行動と環境負荷発生量推計のモデル化の理論を説明できるようになる |
第7回 | 消費行動と環境負荷発生のモデリングの現実 | 現実にモデル化にあたりデータ収集や設定の方法について議論できるようになる |
第8回 | 生産関数の理論 | 生産活動を定義する生産関数について説明できるようになる |
第9回 | 生産行動と環境問題 | 生産部門における環境負荷発生とその対策を分析できるようになる |
第10回 | 投入産出分析 | 投入産出分析の基礎を説明できるようになる |
第11回 | 一般均衡理論と環境問題 | 一般均衡理論と環境問題の解決に向けたその適用について説明できるようになる |
第12回 | イノベーションと環境改善 | 環境問題の改善と経済発展、技術の関係を議論できるようになる |
第13回 | 環境政策とその課題 | 環境政策の現状と課題について議論できるようになる |
第14回 | 将来シナリオ | 課題解決に向けた将来シナリオの開発について手法と効果について説明できるようになる |
第15回 | 環境問題の解決に向けたプレゼン | 環境問題の発生とその解決についてプレゼンを行い、その内容について議論を行う。 |
内容が多岐にわたるため、各回において講義資料を提供する。
各回において講義資料を提供する。
各回で出される課題のレポート(30%)やプレゼン(30%)、最終レポート(40%)によって評価する。
履修条件はないが、ミクロ経済学第一(IEE.B201.E)及びミクロ経済学第二(IEE.B202.E)を履修していることが望ましい。
増井利彦 連携教授(masui[at]nies.go.jp)
金森有子 連携准教授(kanamori[at]nies.go.jp)
授業開講日の授業前後の時間帯は教員が研究室に在室。普段はつくばの研究所にいるため連絡はメールで行うこと。