【概要】
経営学に対する工学的アプローチの祖である、A.F.テイラーの科学的管理法が世に出てから、100年あまり経ち、いまや、企業活動は、数十の部品を組み立てて、手作りで製品を作る時代ではなく、きちんとした学術的基礎を持った工学的なアプローチを、企業活動全般に適用することが必要となっている。
経営工学系では、従来から「利用者の観点から、ICTの有効利活用ができる人材の育成」、より具体的には、企業エンジニアリングの観点から、ビジネスを支援するためのICT利活用を構想できる人材を育成してきた。この講義では、エンタープライズ・エンジニアリングの3本柱である、エンタープライズ・オントロジー, エンタープライズ・アーキテクチャ, エンタープライズ・ガバナンスの代表的な考え方について説明する。
【ねらい】
エンタープライズ・オントロジー, エンタープライズ・アーキテクチャ, エンタープライズ・ガバナンスの代表的な考え方について理解することと簡単な対象に対して適用できるスキルを身につけることを狙いとしている。
エンタープライズ・エンジニアリングの3本柱である、エンタープライズ・オントロジー, エンタープライズ・ガバナンス、エンタープライズ・アーキテクチャ,について、各々の代表的な考え方である, DEMO, IT-CMF, TOGAFについて、講義と実例によってその基礎を理解し、プロジェクトによって簡単な対象に対して適用できるスキルと、その後のプレゼンによって、成果物を他人に説明できる能力を身につける。
エンタープライズ・エンジニアリング、オントロジー、アーキテクチャ、ガバナンス、DEMO、IT-CMF、TOGAF、
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
・チームベース(3人1チーム):3チーム程度を想定
・講義―プロジェクトープレゼンのサイクルで行う
・ほぼ毎週プロジェクトに関する宿題を出す
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション:Principles of Enterprise Engineering(講義) エンタープライズ・オントロジー全体展望 | 対象業務の自然言語記述 |
第2回 | Volleyケースにおけるトランザクション抽出(講義) 実例:Buono Pizzaにおける抽出 | |
第3回 | 対象業務のトランザクションの抽出(プロジェクト) 対象業務のトランザクションの発表(プレゼン) | |
第4回 | 構成モデル:Volleyケース(講義) 実例:Buono Pizzaの構成モデル | |
第5回 | 対象業務の構成モデルの構築(プロジェクト) 対象業務の構成モデルの発表(プレゼン) | |
第6回 | プロセスモデル:Volleyケース(講義) 実例:Buono Pizzaのプロセスモデル | |
第7回 | 対象業務のプロセスモデルの構築(プロジェクト) 対象業務のプロセスモデルの発表(プレゼン) | |
第8回 | Overview of IT-CMF | |
第9回 | How to assess with IT-CMF | |
第10回 | Assessment for a Company Z | |
第11回 | Presentation | |
第12回 | Overview of Enterprise Architecture | |
第13回 | Fundamental Principles in EA and Cases | |
第14回 | Design of Business Architecture | |
第15回 | Design of Data Architecture |
参考書にリストアップしている文献等を適宜用いる。
[1] 飯島淳一, 『DEMO-企業活動の骨格を可視化するモデリング方法論』, NTT出版, 2014.
[2] Jan Dietz, Enterprise Ontology, Springer, 2006.
[3] Philippe Desfray, Gilbert Raymond, Modeling Enterprise Architecture with TOGAF: A Practical Guide Using UML and BPMN, Morgan Kaufmann, 2014.
[4] Martin Curley, Managing Information Technology for Business Value: Practical Strategies for It and Business Managers, Intel Press, 2004.
[5] Martin Curley et.al., It Capability Maturity Framework It-cmf, Van Haren Pub, 2015.
小テスト 40%
期末試験 60%
「情報システム基礎」を履修していることが望ましい。