本講義では、マクロ経済学の進んだトピックとして経済成長を扱う。したがって、「IEE.B402 : 上級マクロ経済学」を履修済みであることが望ましい。様々なデータを用いて、世界的な所得格差の傾向、産業構造の変化などの経済成長に関する事実を確認する。その後、理論モデルを用いて観察される事実が経済成長の理論によってどのように説明されるかを学ぶ。同時に、現在の理論では説明できないこと、わかっていないことを学び、将来の研究の可能性についても学んでいく。
本講義のねらいはふたつある。ひとつは、マクロ経済学で用いるデータを理解し、経済成長に関する重要な事実を身につけることである。ふたつめは、経済成長の理論モデルがデータで観察される事実とどのように関連するか理解することである。
本講義は以下の知識と能力を習得することを目標とする。
1) 経済成長に関するデータの習熟
2) 経済成長のモデルの習熟
3) データとモデルの関連の理解
経済成長、国際的な所得格差、技術進歩
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基本的な事柄についてはスライドを用いて講義を行う。数式の計算や証明などは、板書によりゆっくり説明していく。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 授業のガイダンス、経済成長のデータについて | 経済成長で用いるデータを理解する。 |
第2回 | 経済成長の事実 | 経済成長に関する重要な事実を学ぶ。 |
第3回 | Uzawaの定理(1) | Uzawaの定理について学ぶ。 |
第4回 | Uzawaの定理(2) | Uzawaの定理の証明。 |
第5回 | 経済成長の源泉 - 成長会計 | 成長会計を計算してみる。 |
第6回 | 所得格差の源泉 ー簡単なカリブレーション | 簡単なカリブレーションを行う。 |
第7回 | 国際的な所得格差に関する実証研究 | 所得格差に関する実証研究について学ぶ。 |
第8回 | 技術進歩の理論モデル(1) - イントロダクション | 技術進歩の理論モデルの基礎を学ぶ。 |
第9回 | 技術進歩の理論モデル(2) - 家計と企業の行動 | 家計と企業の行動について学ぶ。 |
第10回 | 技術進歩の理論モデル(4) - R&D 部門 | R&D部門について学ぶ。 |
第11回 | 技術進歩の理論モデル(5) - 均衡動学 | 均衡動学について学ぶ |
第12回 | 技術進歩の理論モデル(6) - 最適な資源配分 | 最適な資源配分の導出。 |
第13回 | 技術進歩の理論モデル(7) - 最適政策 | 最適な政策を導く。 |
第14回 | まとめ | まとめ |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
Acemoglu, Introduction to Modern Economic Growth 2009
T2SCHOLAに載せる。
講義で紹介したデータに関する課題:50%
期末試験:50%
「IEE.B402 : 上級マクロ経済学」を履修済みであることが望ましい。