2022年度 応用認知人間工学   Applied Cognitive Ergonomics

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開講元
経営工学コース
担当教員名
青木 洋貴  顧 秀珠 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(W9-414)  木3-4(W9-414)  
クラス
-
科目コード
IEE.C432
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 本講義では,人間工学と総称される分野のうち、特に人間の認知機能を中心に利用した問題に焦点をあて,ここで用いられるアプローチや方法,そしてさらにそのヒューマン-マシンシステム設計ならびに職務・組織設計に関連する基本的な技能や技法などを教授する.人間工学がカバーするさまざまな内容のうち,本講義では特に応用的な側面に着目し,システムの設計ならびに組織的マネジメントに資するような実践的な内容について説明する.講義の内容は,(1)「人間工学の基礎」,(2)「ヒューマンマシンインタラクションとユーザビリティ」,および(3) 「安全に対する組織設計」の3 つのパートから構成される.
 本講義では、これらに関する考え方、アプローチ、方法について講義により理解するとともに,関連問題に対するディスカッション、グループワークと発表などにより、これらに関する問題解決能力を身につける.

到達目標

 本講義を履修することによって,以下の2つのを目標達成とする.
(1)人間の認知特性の理解に基づき、ヒューマン-マシンシステムの設計のための考えかた、アプローチ、方法について正しく理解し,その内容を他者に説明することができる.
(2)ヒューマンエラーやリスクマネジメントに関する重要な概念の理解し、それを組織設計に応用可能な的な現代的なアプローチ、技術・手法について理解し,関連問題へ適用できる実践的能力を身につけ、その内容を他者に説明することができる.

キーワード

ヒューマン-マシンシステム,ユーザ中心型設計,ユーザビリティ・エンジニアリング,ヒューマンエラー,リスクマネジメント,安全文化,レジリエンス・エンジニアリング

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業では,毎回講義形式により内容の説明を行う.それらに関して確実な理解と応用力を養うために,講義内容に関連したトピックスに関するディスカッション、具体的問題を解決するグループワークを実施する.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 人間工学の基礎 人間工学の目的、対象分野、考え方、歴史的発展,および現代社会における役割など、人間工学に対する基本的内容を説明することができる.
第2回 認知人間工学の方法(認知人間工学の思考プロセス,データ分析の方法) 認知人間工学における問題解決の基礎ならびに代表的なデータ獲得方法の概要について説明することができる.
第3回 ヒューマンマシンシステムの基礎(認知特性,人間処理モデル) ヒューマンマシンシステムについて説明することができる.
第4回 製品・システム開発のための設計アプローチ(ユーザ中心型設計,シナリオに基づく設計,ペルソナ手法) ユーザ中心型設計の方法論とその中で用いられる方法について簡単に説明することができる.
第5回 ヒューマンマシンシステム研究におけるアイトラッキングの適用 (アイトラッキングの基礎,適用方法) ヒューマンマシンシステム研究におけるアイトラッキングの適用に関する体験学習に基づき,アイトラッキングの応用について説明することができる.
第6回 ユーザビリティの基礎(定義,ユーザビリティエンジニアリング概論) ユーザビリティの現代的な定義およびそれに関する方法を説明することができる.
第7回 ユーザビリティ評価(評価のための方法群,方法選択の基準,プロトタイプの次元とペーパープロトタイピング) ユーザビリティ設計・評価のための実践的な方法について,その概要を説明できる.
第8回 グループワーク発表(使いにくさ,使いやすさの要因に関する発表と議論) 使いにくさに関する人間工学的問題発見プロセスについて理解し,その内容を説明することができる.
第9回 安全マネジメントの全体像:鉄道での安全管理の取り組みを例に安全マネジメントの概要を理解する(保線業務のリスクマネジメント,鉄道業務における実験的研究,鉄道業務の観察,鉄道事故におけるHRAアプローチ,鉄道業務における認知シミュレーション,鉄道組織の安全文化、など) リスクマネジメントの全体像、そこで用いるアプローチ、方法について,その概要を説明できる.
第10回 ヒューマンエラーと事故(高リスクシステムにおける事故原因,ヒューマンエラーの基礎,ヒューマンエラーと事故の関係,事故分析に対するアプローチ) ヒューマンエラーの基礎、エラーと事故との関係,事故発生のメカニズムについて説明することができる.
第11回 リスク・マネジメント(事故回避アプローチ,フールプルーフとフェイルセーフ,リスクの定義,事故原因間のリスク比較,高リスクシステムにおける事故原因,リスクマネジメントのフレームワークとしてのエラー分類法) リスクマネジメントに関連する諸概念、考え方、アプローチについて説明できる.
第12回 安全マネジメントへの新しいアプローチ(伝統的安全マネジメントアプローチの限界,効率と徹底さのトレードオフ,安全に対する異なる見方:Safety IとSafety II,レジリエンス・エンジニアリング,リスク・マネジメントに対するReactive・Proactiveアプローチ) 安全マネジメントに関する課題とその現代的アプローチについて説明できる.
第13回 安全文化(安全文化の構成要素,安全文化の定義,文化と風土の違い,安全文化の次元,安全文化アセスメントの目的,安全文化アセスメントの方法,安全文化の要因,医療における安全文化) 安全文化に関連する基本的概念,安全文化アセスメントとの方法について他者に説明し、自分自身で利用することができる.
第14回 グループワーク(身近な問題に対する事故削減のアプローチについて、グループワーク、発表、ディスカッション) 事故削減に向けたアプローチに関するグループディスカッションおよび発表会を行う.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特に指定しない.

参考書、講義資料等

伊藤謙治著『高度成熟社会の人間工学』日科技連.
講義資料を毎回配布する.

成績評価の基準及び方法

授業の後に課される小テスト、ディスカッションにより理解度を評価するとともに,グループワークにより人間工学の技法およびその考え方の理解度を評価する.小テスト・ディスカッション(50%),グループワーク(50%)で成績を評価する.

関連する科目

  • IEE.C202 : インダストリアル・エンジニアリング
  • IEE.C302 : 品質管理
  • IEE.C304 : 人間工学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない

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