2019年度 年金数理   Pension Mathematics

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開講元
経営工学コース
担当教員名
坪野 剛司  杉田 健  渡部 善平 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月9-10(W935)  木9-10(W935)  
クラス
-
科目コード
IEE.A433
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年5月8日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義では、年金数理に関する基礎的事項を扱う。
一般に若い層は、老齢期の生活保障に直結した年金制度(公的年金・私的年金)にはあまり関心がないかもしくはマスコミ等によるセンセーショナルな年金財政不安の情報に影響されるなど、正しい知識を得る機会に乏しい。本講義にあっては、年金制度の体系とその財政運営に関する入門的知識を授け、年金制度がしっかりとした数理的な裏付けの上に成り立っていることを理解してもらうことをねらいとする。また同時に、年金制度に携わるアクチュアリーの業務内容に関係するため、同業務に将来携わる希望のある学生の興味に対しても応えていきたい。具体的内容は次の通り:
1. 年金制度論
   公的年金制度を中心に日本の年金制度の枠組みを紹介し、ついで企業年金の沿革・退職金との関係・企業ニーズにつき解説。
2. 年金数理
  年金数理の目的・基本的構造・年金財政論・財政検証・財政計算・退職給付債務について解説し、また演習も行う。
3. 年金資産運用
  企業年金の資産運用の特徴・年金ALM(AssetLiability Management)・政策アセットミックス構築・運用手法の多様化・リスクマネジメント等を解説

到達目標

本講義の到達目標は次の通り:
1. 我が国年金制度の概要の理解を基に、今後の課題解決について各自なりの視点から論述を行うことができる。
2. 年金数理の基礎的事項や財政方式の理解を基に、簡単な数値計算を行うことができる。
3. 年金資産運用に関する基礎的事項の理解を基に、簡単な数値計算を行うことができる。
なお、アクチュアリーの資格試験相当の知識取得は目的とはしない。

キーワード

厚生年金・国民年金・共済年金・厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金
計算基礎率・定常状態・極限方程式・財政方式・財政検証・財政計算
アセットアロケーション・リターン・リスク・相関係数・年金ALM・リスクマネジメント

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

3人の講師によるオムニバス形式での実施。(年金制度論:4回、年金数理:7回、年金資産運用:3回)
1回-4回:坪野、5回-11回:渡部、12回-14回:杉田

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 公的年金制度を中心に日本の年金制度の枠組み紹介 初回オリエンテーション時に配布される資料の当該個所の通読
第2回 公的年金制度を中心に日本の年金制度の枠組み紹介 初回オリエンテーション時に配布される資料の当該個所の通読
第3回 公的年金制度を中心に日本の年金制度の枠組み紹介 初回オリエンテーション時に配布される資料の当該個所の通読
第4回 企業年金の沿革、退職金との関係、企業ニーズ 初回オリエンテーション時に配布される資料の当該個所の通読
第5回 年金数理の目的や基本的な構造について概説 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第6回 年金数理計算において将来予測の前提となる計算基礎率の算定を中心に説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第7回 長期的に安定した財政運営を図るために立てられる財政計画の一般論 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第8回 現実の企業年金でよく用いられている財政方式を題材に、財政計画の理解を深める OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第9回 事前に立てた計画と現実が相違することが一般的であり、そのずれを検証する「財政検証」の目的と方法について説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第10回 財政検証で認識した「ずれ」の軌道修正のために行われる財政計算の方式について説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第11回 企業の退職金準備状況を適切に表示する目的で導入された退職給付債務について、一般の年金数理と比較しながら説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第12回 投資理論の基礎を前提知識とし確認した上で、企業年金の資産運用の特徴 等を説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第13回 年金ALM(Asset Liability Management)の目的、全体像(アウトプットサンプル)、年金ALMの活用方法などについて説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読
第14回 「政策アセットミックス構築と実際の運用」 及び 「運用手法の多様化」「リスクマネジメント」等のテーマで、年金運用を取り巻く最近の動向や実態について説明 OCWにて事前周知される各回別資料の当該個所の通読

教科書

「新版年金数理概論」(朝倉書店)

参考書、講義資料等

第5回-14回については、OCWにて開示

成績評価の基準及び方法

・講義への出席状況及びレポート(講義内容を万遍なくカバーするため5問以上出題予定、全問回答すること)によって判定。
・出席の確認:毎回配布するアンケートの提出をもって出席の確認を行う。

関連する科目

  • NA
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履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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