事業開発(business development)は事業機会を実現するための行程であり、アントレプレナーシップ(entrepreneurship)は事業機会を実現するための人間活動と捉えることができる。これらは相補的であり、プロフェッショナルにとって必須の素養である。すなわり、ベンチャー起業のみならず、新規性を有するあらゆる事業活動、科学研究・技術開発に適用されるべきものである。
本講義では、上述の前提のもと、事業開発とアントレプレナーシップに関する座学と演習を通じて、技術経営・イノベーション経営の知識を自ら率先して実践するための基礎知識と基礎能力を育成する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) アントレプレナーシップ、事業開発、及び関連する諸概念を理解している
2) イノベーション経営の基礎知識を把握している
3) 問題解決の基本的な手法論(イシューアナリシス法)を理解し運用できる
4) 戦略立案のための考え方、フレームワーク、ツール等を理解し運用できる
5) 標準的なフォーマットの事業計画(ビジネスプラン)を独自で作成できる
6) 実行に移すための行動計画を立案できる
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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ベンチャーキャピタルでの勤務やスタートアップの経験を有した教員による、理論・実践志向の講義である。 |
事業開発、アントレプレナーシップ、イノベーション経営、ベンチャー企業、組織デザイン、事業価値評価、産学連携
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
序盤では、アントレプレナーシップとその発揮点としての事業開発の概論を提示し、その意義と効用について理解を深める。中盤では、事業開発の立案に必要となる概念や思考の枠組み(フレームワーク)、ツールとその扱い方を学習する。終盤では、それまでの学習内容をもとに、事業計画をグループ演習形式で立案・発表する。
各回の講義は座学と演習パートに大別され、後者は事前課題を課すことがある。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ビジネスプランの要素と構成 | ビジネスプランの役割、意義と効用とその構成要素 |
第2回 | 収益計画の立案 | 収益計画の立案 |
第3回 | 事業価値の評価 | スコアリング法やDCF法などの価値評価指標とその活用方法 |
第4回 | 資本政策の立案 | スタートアップ企業における資金調達の計画立案と獲得方法 |
第5回 | グループ討論 | 事例研究の議論 |
第6回 | 外部有識者による講義 | 資本政策立案の実務 |
第7回 | グループ発表と講評 | 事例研究の発表、総合討論 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
各講義中或いは事前に配布
忽那憲治他(共著), 「アントレプレナーシップ入門」, 有斐閣, 東京, 2013. ISBN 978-4-641-15002-7
新藤晴臣(著), 「アントレプレナーの戦略論」, 中央経済社, 東京, 2015. ISBN 978-4-502-14331-1
齋藤嘉則(著), 「問題解決プロフェッショナル」, ダイヤモンド社, 東京, 2010. ISBN: 978-4-478-00553-8
齋藤嘉則(著), 「戦略シナリオ」, 東洋経済新報社, 1998. ISBN: 978-4-492-53049-8
西山茂(著),「グロービスMBAファイナンス」,ダイヤモンド社,2008. ISBN: 978-4-478-00876-8
出席、出席した講義への参加姿勢及び演習の成績をもとに評価する。詳細は初回の講義で解説する。
この科目は「履修前提条件付き授業科目」で,「履修前提科目」は「アントレプレナーシップと事業創成 I」である。「アントレプレナーシップと事業創成 I」の単位を修得しなければ,この科目の単位は修了に必要な単位として取り扱わない。
授業計画はモデルケースである。実際の開講内容は、各年度のT2SCHOLA及び初回ガイダンスで確認すること。