ファイナンス理論(Modern Portfolio Theory)の基本をおさえ、企業経営と資本市場の関係に焦点を当てた経営財務論(Corporate Finance)の基本理論を議論していく。
最初に、企業の投資意思決定、資本コスト、CAPMなど現代ファイナンス論の基本を講義する。また、現代ファイナンス論へのチャレンジとして登場した行動ファイナンスの発見を紹介し、資本市場の実際を理解する。次に経営財務の中心トピックとも言うべき、企業の資本構成、投資政策、企業統治などを検討する。証券投資よりは、企業の投資決定に重きを置いた内容を予定している。
1. ポートフォリオ理論と経営財務に基本を理解し、ファイナンス論の発展課題に取り組む準備を行う。
2. 資本主義社会の根幹となる資本市場のメカニズムと企業経営を理解し、効率的な経営、市場設計のための知見を得る。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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担当教員の井上光太郎は15年間のファイナンス市場実務と企業に対する財務コンサルティング経験を持ち、講義全体においてファイナンス市場実務と企業財務の視点を導入する。 |
投資意思決定、資本コスト、現代ポートフォリオ理論、行動ファイナンス、資本構成、M&A、企業統治
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
井上光太郎と木村遥介の2名で担当する。
講義とケースで構成される。(令和2年度に限り、全講義をZoomによるオンライン講義とする)
講義においては、テキストに沿って講義を進めていく。学生には以下の課題が課せられる。
1.各回に記載されているテキストの該当章を講義前の通読
2.授業中に出される課題と提出
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 会社と資本 | テキスト第1章を通読しポイントを理解する |
第2回 | お金の時間価値と投資意思決定1 | テキスト第2章・3章を通読しポイントを理解する |
第3回 | 投資意思決定2 | テキスト第3章を通読しポイントを理解する |
第4回 | 資本資産評価モデル1 | テキスト第4章を通読しポイントを理解する |
第5回 | 資本資産評価モデル2 | テキスト第5・6章を通読しポイントを理解する |
第6回 | 株式価値評価 | テキスト第7・8章を通読しポイントを理解する |
第7回 | 債券 | テキスト第9章を通読しポイントを理解する |
第8回 | 資本構成1 | テキスト第10章を通読しポイントを理解する |
第9回 | ここまでの課題の振り返りと最終課題の予備説明 | 最終課題の資料に目を通してくる |
第10回 | 資本構成 2 | テキスト第10・11章を通読しポイントを理解する |
第11回 | 市場効率性と資産運用 | テキスト第12章を通読しポイントを理解する |
第12回 | ファイナンス実務リーダーとの討論 | 講演者の指定する企業をグループで調査し、クラス討論に備える |
第13回 | コーポレートガバナンス | テキスト第15章を通読し、ポイントを理解する |
第14回 | まとめの講義 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
ファイナンス(ベーシック+(プラス))中央経済社、井上光太郎、高橋大志、池田直史著
講義資料はOCW-iに上げる。
参考書として『コーポレートファイナンス』入門編 第2版
ジョナサン・バーク/ピーター・ディマーゾ 著 久保田敬一/芹田敏夫/竹原均/徳永俊史 訳
丸善出版
期末試験 70%
追加点 クラス参加点・課題点 最大30%
ただし、新型コロナウイルス感染拡⼤状況等により,期末試験の実施⽅法は変更の可能性がある
会計基礎論を履修している、またはそれと同等の知識を持つこと