経済学や経営工学の分野に現れる数学の問題の多くは,最適解を求める問題として表すことができる.
本講義では,離散的な解に関する最適化問題を取り上げ,それらの問題の数理構造とアルゴリズムを説明すると共に,経済学・経営工学との繋がりについて紹介する.
近年,離散最適化問題は経済学・経営工学の様々な場面で数多く現れるため,
離散最適化の理論に関する知識は,経済学・経営工学の諸問題に対して数理的な視点からアプローチする上で必須といえる.
この講義を通じて,そのような知識を身につけてほしい.
本講義で扱う最適化問題に対して,以下のことができるようになる.
(1)各問題で扱うモデルを理解し,説明できる.
(2)各問題における解の構造や諸性質を理解し,数学のことばで説明できる.
(3)各問題の最適解を求める方法(アルゴリズム)の手順を説明でき,簡単な例に対する解を実際に計算できるようになる.
(4)各問題と経済学・経営工学との繋がりとの繋がりを理解し,説明できる.
離散最適化問題,組合せ最適化問題,数理計画問題
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の授業では,様々な問題を取り上げ,その解の構造と解の求め方,および経済学・経営工学との繋がりについて説明する.
毎回の講義では、講義資料をOCWにアップするので、受講生はそれを読み、内容を理解する。
不明な点があれば、教員にメールなどで質問して理解に努める。
講義は Zoom によりオンラインで実施するとともに、それを録画した動画を期間限定で公開する。
毎回の講義では、何らかの方法で出席状況を確認する予定である。
授業終了前には,その日の授業内容に関する演習問題を提示し,レポートとして次回の授業までに解いてもらう。
レポートの提出方法は、紙に書いたものをスキャンもしくは写真に撮って、メール添付で提出する。
もしくは、直接電子的にレポートを作成して、そのファイルをメール添付で送っても良い。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス, 最短路問題 | 本講義の目的を説明できるようになる.最短路問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第2回 | 最短路問題 | 最短路問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第3回 | 最大要素数マッチング問題 | 最大要素数マッチング問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第4回 | 最大重みマッチング問題 | 最大重みマッチング問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第5回 | 最大重みマッチング問題 | 最大重みマッチング問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第6回 | 最小全域木問題 | 最小全域木問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第7回 | 最小全域木問題 | 最小全域木問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第8回 | 中間試験および解説 | 第1回から第7回までの内容の理解度の確認をする. |
第9回 | 資源配分問題 | 資源配分問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第10回 | 最大流問題 | 最大流問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第11回 | 最小費用流問題 | 最小費用流問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第12回 | 最小費用流問題 | 最小費用流問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる. |
第13回 | ナップサック問題と巡回セールスマン問題の近似アルゴリズム | ナップサック問題と巡回セールスマン問題の難しさを理解し,近似解の計算方法が説明できるようになる. |
第14回 | 期末試験,解説 | 第9回から第13回までの内容の理解度の確認をする. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
とくになし.
毎回の授業前に資料を配付する.
主として次の本に沿って講義を進めます.
室田一雄,塩浦昭義: 離散凸解析と最適化アルゴリズム, 朝倉書店,2013年.
福島雅夫:新版数理計画入門,朝倉書店,2011年
毎回の講義で出題する演習問題の解答状況などを踏まえて評価する
(参考:例年は中間試験(45%),期末試験(45%),レポート(10%))
原則として,「オペレーションズ・リサーチ基礎」「オペレーションズ・リサーチ応用」を履修していること.
もしくは経営工学系以外で開講されている同様の講義を受講していること.
未履修の場合は教員に事前に問い合わせること.
「経営・経済のための基礎数理」については,履修していることが望ましい.
shioura.a.aa[at]m.titech.ac.jp
いつでも可.ただし,メールで事前連絡の上,訪問すること.