この講義では確率論や数理統計学の基礎に加え、データ分析で良く利用される線形回帰分析やその拡張手法について学びます。線形回帰分析以外の手法についても紹介することで様々なデータ分析の手法を自分で選択して使えるようにします。
データサイエンスで用いられる計量経済学、統計学的手法の背景にある考え方を身に付け、正しく利用できるようになることを目指します。
確率変数の独立性、条件付確率、ベイズの公式、1変量・多変量確率分布、モーメント母関数、特性関数、大数の法則、中心極限定理、スラツキーの定理、デルタ法、最尤法、信頼区間、線形回帰、パネル分析、ノンパラメトリック法
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1-4回目の講義では統計学で利用される基本的な確率分布について学びます。
5-10回目の講義ではそれ以降の講義で必要となる確率論の基礎と統計的漸近理論について学びます。
11-12回目の講義では線形回帰モデルの紹介と最小二乗推定量の漸近的性質を学びます。
13回目の講義では線形回帰モデルの拡張としてパネルデータ分析を紹介します。
14回目の授業ではノンパラメトリックな統計手法(カーネル法)について学びます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 講義の目的 | 講義の目的を理解する。 |
第2回 | 確率変数とその性質 | 確率変数の定義と性質について学ぶ。 |
第3回 | 1変量確率分布 | 1変量確率分布について学ぶ。 |
第4回 | 多変量確率分布 | 多変量確率分布について学ぶ。 |
第5回 | モーメント母関数と特性関数 | モーメント母関数と特性関数について学ぶ。 |
第6回 | 大数の法則 | 大数の法則について理解する。 |
第7回 | 大数の法則の応用 | 大数の法則の応用について学ぶ。 |
第8回 | 中心極限定理 | 中心極限定理について理解する。 |
第9回 | 中心極限定理の応用 | 中心極限定理の応用について学ぶ。 |
第10回 | 最尤法とその他の話題 | 最尤法とその他の話題について学ぶ。 |
第11回 | 最小二乗法の一致性 | 最小二乗法の一致性について学ぶ。 |
第12回 | 最小二乗法の漸近正規性 | 実証分析で用いる基本的な統計解析の手法を学ぶ。 |
第13回 | パネル分析における推定量の漸近的性質 | パネル分析について学ぶ。 |
第14回 | ノンパラメトリックカーネル密度・回帰関数推定量の定義と漸近的性質 | カーネル密度・回帰関数推定量の漸近的性質について学ぶ。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。
確率論:
(学部中級):舟木(2004)「確率論」朝倉書店、
(学部上級):西尾(1978)「確率論」実教出版
数理統計:
(学部中級):東京大学教養学部統計学教室(1991)「統計学入門」東京大学出版、
国友(2015)「応用をめざす数理統計学」朝倉書店、
久保川・国友(2016)「統計学」東京大学出版、
(学部上級):久保川(2017)「現代数理統計学の基礎」共立出版、
竹村(1991)「現代数理統計」創文社、
吉田(2006)「数理統計学」朝倉書店、
稲垣(2003)「数理統計学」裳華房、
河田・丸山・鍋谷(2011)「大学演習 数理統計」裳華房
その他講義で適宜紹介します。
授業への(i)参加度(35%)、(ii)期末レポート(65%)
今年は授業の理解度を確認するための(i)中間課題と(ii)期末レポートしての演習問題の解答を pdf ファイルの形で OCW-i を通して提出してもらいます。
大学1・2年生レベルの線形代数学・解析学、入門レベルの計量経済学・数理統計学の内容を理解していることを前提とします。