2016年度 人間工学   Ergonomics

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
経営工学系
担当教員名
伊藤 謙治  青木 洋貴  顧 秀珠 
授業形態
講義 / 演習 /実験     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金5-8(経営工学演習室)  
クラス
-
科目コード
IEE.C304
単位数
3
開講年度
2016年度
開講クォーター
3-4Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

 本講義では,人間工学と総称される内容のうち特に人間の知覚機能,精神機能,認知機能に重点が置かれた作業や行動を行なうときの人間的な側面について焦点を当てる.すなわち,このような作業を行なうときの基礎となる人間の処理特性,そしてそのような作業で用いられるマン-マシン・インタフェースや作業環境の設計・改善,あるいはこれらの分析・評価を行なう際の基礎となる内容について,講義ともに実験を通して知識を習得する.講義の中では,人間工学一般に対する概要を講義した後,基礎的な知識,技能の習得を目的として,特に人間工学でよく利用する方法,ならびにそれらの方法の応用として実際のコンピュータ・インタフェース,および作業環境を設計するときの方法,ガイドラインなどを実例を交えて解説するとともに,実際にそのうちのいくつかについて,実験により確認する.ここで行われる講義・実験は,(1)「人間工学概論」,(2)「人間の機能とメカニズム」,(3) 「人間工学適用の目標」および(4)「人間工学の応用」の4 つのパートから構成される.
 本講義では,人間工学の基礎となる人間特性に関して理解し,その理解の下で人間にとって好ましいものを作り上げていくための基本的な考え方の習得をねらいとする.さらにシステム・機器の高度化に伴う多様なシステムの目標(特性)の存在,人間工学の適用領域の拡大,およびシステムのライフサイクルを俯瞰した設計といった現代社会の状況を念頭に,これらの状況に対応するための現代的な人間工学の方法・考え方に関する十分な理解もねらう.

到達目標

本講義を履修することによって,以下の2つの目標達成を目指す.
(1)作業や行動に関連する人間特性について十分に理解し,その概要について説明することができる.
(2)人間工学で用いられる代表的な方法・技法について正しく理解し,それらについて説明することができる.

キーワード

マン―マシンシステム,人体計測,長期記憶と短期記憶,認知,ワークロード,疲労,ヒューマンエラー,ユーザビリティ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業では,毎回講義形式により内容の説明をした後に,それらに関して確実な理解と応用力を養うために,講義内容に関連した演習・実験を実施する.本講義は2クォーターにわたって開講される.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 人間工学とは.人間工学とマン-マシン・システム 人間工学の定義,歴史,およびその考え方の概要について説明することができる.
第2回 人間工学の方法(問題解決のステップ,データ獲得の方法) 人間工学における問題解決ならびにデータ獲得方法の概要について説明することができる.
第3回 筋骨格系と運動(運動機能,人体計測) 人間の感覚機能の概要について簡単に説明することができる.
第4回 感覚系と知覚(視覚系,眼球運動,聴覚系) 人間の情報処理メカニズムの概要について説明することができる.
第5回 人間の情報処理と認知(人間処理,技能形成,注意,問題解決) 人間の記憶システムについて簡単に説明することができる.
第6回 記憶と知識表現(記憶システム) パフォーマンス評価とワークロードについて,それらの概要について簡単に説明することができる.
第7回 ワークロード(パフォーマンス測定,組織のパフォーマンス,ワークロード) ヒューマンエラーおよび安全・事故解析についてその概念を説明することができる.
第8回 疲労(疲労とは,疲労測定) 疲労およびその測定方法の概要について説明することができる.
第9回 安全1(ヒューマンエラー,安全・事故解析) ヒューマンエラーおよび安全・事故解析についてその概念を説明することができる.
第10回 安全2(リスクマネジメントとHRA) リスクマネジメントおよび人間信頼性解析についてその概念を説明することができる.
第11回 マン-マシン・インタフェース(マン-マシン・インタフェースとは,機能分担,インタフェースの使いやすさ) マンマシンインタフェースについて理解し,その内容について説明することができる.
第12回 ユーザビリティ・エンジニアリング1(ユーザビリティとは,ユーザビリティ属性,測定方法) ユーザビリティの定義,属性,およびその測定方法について説明することができる.
第13回 ユーザビリティ・エンジニアリング2(システムの設計方法,ユーザビリティ設計) ユーザビリティ設計の方法論について,その初期の段階概要を説明することができる.
第14回 ユーザビリティ・エンジニアリング3(プロトタイピング) ユーザビリティ設計の方法論について,そこに含まれる方法論の概要について説明することができる.
第15回 ユーザビリティ・エンジニアリング4(ユーザビリティ・テスト) ユーザビリティ設計の方法論について,そこに含まれるユーザビリティテストの概要について説明することができる.

教科書

特に指定しない.

参考書、講義資料等

伊藤謙治著『高度成熟社会の人間工学』日科技連.
講義資料を毎回配布する.

成績評価の基準及び方法

毎回の授業の後に課される小テストにより理解度を評価するとともに,演習・実験レポートにより人間工学の技法およびその考え方の理解度を評価する.小テスト(40%),レポート(60%)で成績を評価する.全出席および全実験履修が原則である.

関連する科目

  • IEE.C202 : インダストリアル・エンジニアリング
  • IEE.C302 : 品質管理

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.

このページのトップへ