グローバルな規模で競争が激化する中,製品やサービスを生産するためには,それらに関連する個々の業務や活動,一連のプロセスを包括的に考え,マネジメントする必要がある。本講義では,生産管理の様々な場面における問題解決のための理論と実践を学びます。生産マネジメントに関して,管理技術の歴史的変遷,生産計画と管理の方法論,在庫理論と管理方式(経済発注量や安全在庫,エシェロン在庫など),各種スケジューリング理論と手法(生産スケジューリング,配送スケジューリング,プロジェクトスケジューリング),制約理論(TOC)やサプライチェーンマネジメント(SCM),顧客価値などについて扱う。
本講義では,生産マネジメントにおける効果的効率化に寄与する基本的知識とスキルを習得させることを目的とする。
本講義を履修することによって次のような能力を身につけることができる。
(1) 生産マネジメントにおける管理技術に関する基礎知識を身につける。
(2) 生産計画や在庫についての理論と管理方法論について理解する。
(3) 各種スケジューリング理論と方法論を理解し活用する。
(4) 全体最適指向のものの考え方やTOC(Theory of Constraints), SCM(Supply Chain Management)について理解する。
生産計画,在庫管理,スケジューリング,プロジェクト管理,制約理論,サプライチェーンマネジメント,顧客満足度
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各トピックスにおいて講義を行い,必要に応じて演習問題を与える。演習問題の解説も併せて行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション | 講義概要の理解 |
第2回 | 生産管理技術の歴史的変遷(1) PUSH型生産(テイラー・フォードイズム) | テイラーイズム,フォードイズムの理解 |
第3回 | 生産管理技術の歴史的変遷(2) PULL型生産(トヨタ生産方式とリーン生産方式) | トヨタ生産方式とリーン生産方式の理解 |
第4回 | 生産計画・管理の方法論(1) 資材所要量計画(MRP) | 生産計画に関する理解とMRP計算 |
第5回 | 生産計画・管理の方法論(2) 生産計画の分類と在庫管理方式 | フローとストックといった観点からの生産計画と在庫管理の関連性理解 |
第6回 | 在庫理論と在庫管理(1) 経済発注量(EOQ)と安全在庫 | EOQと安全在庫を通じた一段階在庫理論の理解 |
第7回 | 在庫理論と在庫管理(2) デカップリング在庫とエシェロン在庫 | 多段階在庫理論の理解 |
第8回 | 生産スケジューリング(1) ジョンソン法と分枝限定法 | フローショップスケジューリングにおける最適解の計算 |
第9回 | 生産スケジューリング(2) ヒューリスティック解法 | ジョブショップスケジューリングにおけるヒューリスティック解法の習得と計算 |
第10回 | 配送スケジューリング | 配送スケジューリングにおける解法アルゴリズムの理解 |
第11回 | プロジェクトスケジューリング(PERT・CPM) | プロジェクト管理におけるPERTの理解と活用 |
第12回 | 制約理論(TOC; Theory of Constraints) | TOCにおける全体最適化に基づく経営哲学の理解 |
第13回 | サプライチェーンマネジメント(1) ブルウィップ効果とドミノ効果 | サプライチェーンにおけるブルウィップ効果とドミノ効果に関する理解 |
第14回 | サプライチェーンマネジメント(2) 情報共有とダブルマージナライゼーション | グローバルサプライチェーンマネジメントに関する基礎的理解 |
第15回 | 顧客価値(顧客満足度とロイヤルティ) | 顧客満足度とロイヤルティに関する基礎的理解 |
各テーマ毎に講義資料を配布します。
圓川隆夫,伊藤謙治著:『生産マネジメントの手法』(朝倉書店)ISBN-13: 978-4254126136
宮川公男,上田泰編:『経営情報システム(第4版)』(中央経済社)ISBN-13: 978-4502091704
期末試験と演習レポート
特になし