2016年度 数理経済学   Mathematical Economics

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開講元
経営工学系
担当教員名
塩浦 昭義 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(W935)  金7-8(W935)  
クラス
-
科目コード
IEE.B337
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
2016年8月8日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

経済学や経営工学の分野に現れる数学の問題の多くは,最適解を求める問題や,安定解を求める問題として表すことができる.
本講義では,離散的な解に関する最適化問題および関連する問題を取り上げ,それらの問題の数理構造とアルゴリズムを説明すると共に,経済学・経営工学との繋がりについて紹介する.

近年,離散最適化問題は経済学・経営工学の様々な場面で数多く現れるため,
離散最適化の理論に関する知識は,経済学・経営工学の諸問題に対して数理的な視点からアプローチする上で必須といえる.
この講義を通じて,そのような知識を身につけてほしい.

到達目標

本講義で扱う,最適解を求める問題・安定解を求める問題に対して,以下のことができるようになる.
(1)各問題で扱うモデルを理解し,説明できる.
(2)各問題における解の構造や諸性質を理解し,数学のことばで説明できる.
(3)各問題の最適解・安定解を求める方法(アルゴリズム)の手順を説明でき,簡単な例に対する解を実際に計算できるようになる.
(4)各問題と経済学・経営工学との繋がりとの繋がりを理解し,説明できる.

キーワード

離散最適化問題,組合せ最適化問題,数理計画問題,安定解,安定マッチング

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の授業では,様々な問題を取り上げ,その解の構造と解の求め方,および経済学・経営工学との繋がりについて説明する.
授業終了前には,その日の授業で取り上げた問題に関する演習問題を提示し,レポートとして次回の授業までに解いてもらう.
次回の授業開始時には演習問題の解答例を説明し,学生自身でレポートの採点をしてもらう.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ガイダンス, 最小全域木問題(最適解を求める1) 本講義の目的を説明できるようになる.
第2回 最小全域木問題(最適解を求める2) 最小全域木問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第3回 最短路問題(最適解を求める3) 最短路問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第4回 最大要素数マッチング問題(最適解を求める4) 最大要素数マッチング問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第5回 最大重みマッチング問題(最適解を求める5) 最大重みマッチング問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第6回 最大流問題(最適解を求める6) 最大流問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第7回 最小費用流問題(最適解を求める7) 最小費用流問題の数学的性質を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第8回 中間試験および解説 第1回から第7回までの内容の理解度の確認をする.
第9回 ナップサック問題,巡回セールスマン問題(近似解を求める) ナップサック問題や巡回セールスマン問題の難しさを理解し,近似解の計算方法が説明できるようになる.
第10回 財の交換問題(安定解を求める1) 財の交換問題を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第11回 財の交換問題(安定解を求める2) 財の交換問題を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第12回 1対1安定マッチング問題(安定解を求める3) 1対1安定マッチング問題を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第13回 1対1安定マッチング問題(安定解を求める4) 1対1安定マッチング問題を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第14回 1対多安定マッチング問題(安定解を求める5) 1対多安定マッチング問題を理解し,解の計算方法が説明できるようになる.
第15回 期末試験,解説 第9回から第14回までの内容の理解度の確認をする.

教科書

とくになし.
毎回の授業前に資料を配付する.

参考書、講義資料等

主として次の本に沿って講義を進めます.
室田一雄,塩浦昭義: 離散凸解析と最適化アルゴリズム, 朝倉書店,2013年.
坂井豊貴: マーケットデザイン入門―オークションとマッチングの経済学, ミネルヴァ書房,2010年.

下記の文献についても参考にします.
Debasis Mishra の lecture notes (Mathematical Programming with Application to Economics)
http://www.isid.ac.in/~dmishra/mp.html

成績評価の基準及び方法

中間試験(40%),期末試験(40%),レポート(20%)

関連する科目

  • IEE.A206 : オペレーションズ・リサーチ 基礎
  • IEE.A330 : オペレーションズ・リサーチ応用
  • IEE.A201 : 経営・経済のための基礎数理
  • IEE.B205 : 非協力ゲーム理論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.

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