ディジタル無線通信への信号処理技術の応用に焦点を当て,等化器,アダプティブアレーアンテナ,及び干渉キャンセラ等について解説する.また,これらのパラメータ推定に用いられる適応アルゴリズムについても詳述する.
ディジタル無線通信で用いられている各種信号処理技術を,理論も含め深く理解することを目的とする.
この授業の主な到達目標は以下の通りである.
1) ディジタル無線通信への信号処理技術として,等化器,アダプティブアレーアンテナ,及び干渉キャンセラ等の原理を理解できるようになる.
2) これらのパラメータ推定に用いられる適応アルゴリズムについても,原理も含め深く理解できるようになる.
無線通信,信号モデル,無線チャネル,ウイナーフィルタ,LMS, RLS, カルマンフィルタ,適応等化器,周波数領域等化,ダイバーシチ技術,ターボ符号,ターボ等化,アダプティブアレイ,MIMO,時空間符号,プリコーディング
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義資料を使って説明した後,学生に演習問題を解かせる.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 概論及びフーリエ変換,ラプラス変換,z変換の復習 | フーリエ変換,ラプラス変換,z変換を完全に理解する. |
第2回 | 無線通信における信号モデル | 無線通信における信号モデルを学ぶ. |
第3回 | 無線伝送路とその統計的性質 | 無線伝送路とその統計的性質を学ぶ. |
第4回 | ウィナーフィルタとLMSアルゴリズム | ウィナーフィルタの原理とLMSアルゴリズムを理解する. |
第5回 | RLSアルゴリズム | RLSアルゴリズムを完全に理解する. |
第6回 | カルマンフィルタ | カルマンフィルタの原理を理解する. |
第7回 | 適応等化器 | 適応等化器の原理を理解する. |
第8回 | ブラインド等化 | ブラインド等化の原理を理解する. |
第9回 | 周波数領域等化 | 周波数領域等化の原理を学ぶ. |
第10回 | ターボ符号とターボ等化 | ターボ符号の原理とターボ等化を学ぶ. |
第11回 | ダイバーシチ技術 | ダイバーシチ技術の原理を学ぶ. |
第12回 | アダプティブアレイ技術 | アダプティブアレイ技術の基礎を学ぶ. |
第13回 | 非線形干渉キャンセラ | 非線形干渉キャンセラの原理を学ぶ. |
第14回 | MIMO技術 | MIMO技術の原理,ならび時空間符号の基礎を学ぶ. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書は指定しない.講義用資料を配布する.
J. G. Proakis, Digital Communications, McGraw-Hill
S. Haykin, Adaptive Filter Theory, Prentice-Hall
期末試験により評価する
ディジタル通信を履修していることが望ましい.