2018年度 誘電体物性・有機デバイス特論   Dielectric Property and Organic Devices

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開講元
電気電子コース
担当教員名
間中 孝彰 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水1-2(S223)  金7-8(S223)  
クラス
-
科目コード
EEE.D501
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
2018年11月20日
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本講義では、物質の分極についての微視的な起源や巨視的な誘電率との関係,複素誘電率の周波数依存性,誘電体中の電気伝導などの基礎的な事項を説明し,誘電体材料の応用例や強誘電体について学ぶ。続いて、新しいデバイスとして有機デバイスを取り上げることで,有機半導体の基礎や電荷輸送機構,有機トランジスタや有機EL,有機太陽電池などの各種デバイスの動作機構についての理解を深める。
 誘電体は電子デバイスを作製する上で欠かせない材料であるが,半導体材料と比べると学ぶ機会が少ない。また,次世代のデバイスよう材料として期待されている有機半導体は、基本的に誘電体的な性質を持っている。誘電体の電気的性質を深く理解することで,多様な材料における電気現象について興味を持ってほしい。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)誘電率,誘電分散,分極の測定法について説明できる。
2)誘電体材料の応用例について実例を挙げて説明できる。
3)誘電体中および有機半導体中の電気伝導についてモデルを説明できる。
4)各種有機半導体デバイスの動作原理について説明できる。

キーワード

分極,誘電率,誘電分散,強誘電体,有機半導体,電荷輸送,有機トランジスタ,有機EL,有機太陽電池

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義のはじめに,復習を兼ねて前回の概要を説明します。キーワードを与えますので,各自トピック的な論文を選び,その内容についてのまとめを提出してもらいます(前半1回、後半1回)。前半3回、後半3回の演習を行います。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 物質の分極 化学結合、静電相互作用、分極の起源を理解
第2回 分極と誘電率 各種分極とその起源を理解
第3回 分極の過渡応答 局所場の概念、Lorentz–Lorenzの式、時間依存する分極を理解
第4回 動的な分極とその測定 コール・コールプロット、インピーダンス分光および誘電分散を理解
第5回 誘電体へのキャリア注入とその輸送 誘電体のエネルギー構造、金属との電気的接触、および各種電気伝導現象を理解
第6回 強誘電体、ピエゾエレクトリック 結晶の対称性、強誘電性、ピエゾエレクトリック現象を理解
第7回 誘電体材料の実際と応用例 エレクトレット、液晶、電気光学効果を理解
第8回 これまでのまとめと理解度の確認 前半部分の理解度確認
第9回 有機半導体材料1 有機半導体材料開発の流れと有機半導体材料の電子構造を理解
第10回 有機半導体材料2 無機との違い、キャリア輸送機構、移動度評価法を理解
第11回 有機半導体材料・デバイスの評価法 有機デバイスに対する各種測定法を理解
第12回 有機薄膜トランジスタ 有機トランジスタの動作機構、作製方法、開発の歴史を理解
第13回 有機EL 有機ELの動作機構を理解,実際の応用
第14回 有機太陽電池 有機太陽電池の動作機構を理解,実際の応用
第15回 その他の有機デバイス 論文を取り上げ内容を議論

教科書

特に指定しない。講義ノートはOCWから取得可能。

参考書、講義資料等

岩本光正編著 「電気電子材料工学」オーム社

成績評価の基準及び方法

誘電体および有機半導体・デバイスに関する理解度を評価する。中間試験・期末試験(70%)課題(30%)で成績を評価する。

関連する科目

  • EEE.E201 : 電磁気学第一
  • EEE.E202 : 電磁気学第二
  • EEE.D201 : 量子力学
  • EEE.D401 : 電子物性基礎論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。学部レベルの物理(電磁気、量子力学など)を理解していることが望ましい。

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