2020年度 情報ストレージ工学   Information Storage Engineering

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開講元
電気電子コース
担当教員名
中川 茂樹  髙村 陽太 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(Zoom)  木5-6(Zoom)  
クラス
-
科目コード
EEE.D441
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

人の知的創造を支える情報通信・エレクトロニクス技術により、ストレージに蓄えられた膨大なビッグデータを分析し、様々な社会課題の解決への利用することが可能になった。これにより、IoT(Internet of Things)が進むディジタル社会の時代が到来し、モノからコトへとサービス化が進み、経済的価値に加えディジタル社会の価値が重要視されてきている。ビジネスや社会が劇的に変化しつつある中、新たな時代に向けて何を考えなければいけないかが問われている。本講義ではこれらの変化を支えるストレージ技術について学ぶ。
本講義はディジタルシステムにおける情報ストレージ技術を対象とし、そこで使用される磁気記録,光記録(光磁気,相変化,有機膜応用などを含む),半導体メモリなどの書き込み・読み出し動作原理,記録媒体,センシング技術からディスクアレイなどのファイルメモリシステムやエラー訂正に関する基礎知識の修得を目的とする。講義と演習を通じて、これらの技術、企業における研究開発、社会に関する理解を深め、幅広く社会で活躍できるグローバル人材としての基礎力を涵養する。

到達目標

この講義を受講することにより以下の知識を得る。
1) IoTに代表されるような情報化社会を支える情報ストレージ技術の理解
2) 磁気ディスクおよび磁気テープシステムにおける書込み・読出し動作原理(記録媒体,記録再生ヘッド技術)
3) 光記録(光磁気,相変化,有機膜応用などを含む)などの書込み・読出し動作原理
4) 半導体不揮発性メモリなどの書き込み・読み出し動作原理と三次元構造
5) ストレージクラスメモリへの応用が期待される不揮発性メモリの原理
6) ディスクアレイなどのファイルメモリシステムやエラー訂正符号に関する基礎知識の修得
7) 市場、企業における研究開発に関する理解を深める
8) 幅広く社会で活躍できるグローバル人材としての基礎力を涵養する

キーワード

情報ストレージ, 磁気記録,光記録(光磁気,相変化,有機膜応用など), 記録再生,記録媒体,磁気ヘッド, センシング技術, 固体メモリ,半導体メモリ,ストレージクラスメモリ,エラー訂正符号,ディスクアレイ, ファイルメモリシステム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義と講義後に行う「タスク」により、総合的な理解を深める。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 情報ストレージ技術概観 情報ストレージ技術の社会における重要性を認識する.記憶・記録デバイスの階層構造を理解し,各情報ストレージ技術の位置づけを理解する.
第2回 磁気記録技術の歴史と概観 情報ストレージ技術の中核となる磁気記録技術の歴史を理解し,技術進化の過程を理解する.また使用される磁性膜についての基礎的な特性を理解する.
第3回 ハードディスク装置(記録媒体I) ハードディスク装置に使用される記録媒体の高密度化と低ノイズ化の技術の基本と技術変遷を理解する.
第4回 ハードディスク装置(記録媒体Iおよび磁気ヘッド) ハードディスク装置に使用される記録媒体の最近の技術を理解する.合わせて磁気ヘッドの信号記録・再生の基本原理と技術変遷を理解する.
第5回 ハードディスクストレージシステムと将来展望 ハードディスク装置を使用した大規模・高速記録システムの構成技術や磁気記録技術の将来展望について理解する.
第6回 SSD技術の概要とNANDフラッシュメモリの基礎 SSD技術の概要とNANDフラッシュメモリの動作原理を理解する.
第7回 3次元NANDフラッシュメモリ 3次元NANDフラッシュの構造を理解と課題を理解する.
第8回 スピントロニクス応用の情報ストレージ技術 -MRAM- 磁性の起源となる電子スピンの偏極性を利用するスピントロニクスの基礎を理解する.スピントロニクスの応用としてストレージクラスメモリとして注目される磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)の基礎と技術発展過程を理解する.
第9回 ストレージクラスメモリ ストレージクラスメモリのコンセプトとその動作原理を理解する.
第10回 エラー訂正符号 エラー訂正符号技術の基礎知識を身につける
第11回 光利用情報ストレージ技術 (光ディスク記録システム) 光学技術を用いた情報記録の原理・技術の理解.光ディスクシステムに使用される,相変化,磁気光学(MO)効果,信号書き込み・読み出し技術などを概観し,ホログラムメモリなどの将来展望を紹介する.
第12回 磁気テープ記録技術I 超大容量情報アーカイブ用としての磁気テープの有用性を議論する.合わせて磁気テープの開発の歴史と技術エッセンスについて学ぶ.
第13回 磁気テープ記録技術II 現代の超大容量情報アーカイブ用磁気テープに使用されている技術について学び,今後の技術動向を探る.
第14回 情報記録技術の将来展望 将来の情報ストレージ技術および情報アーカイブシステムの課題と,将来展望について議論する.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

なし

参考書、講義資料等

OCWで適宜配布する。

成績評価の基準及び方法

レポートおよび講義中に必要に応じて行う課題により理解度を評価する。配点割合は中川担当分が70%、高村担当分が30%.

関連する科目

  • EEE.D511 : 磁性・スピン工学特論
  • EEE.D501 : 誘電体物性・有機デバイス特論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。
向学心があること。

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