今後益々発展が予想されている半導体デバイスはナノメートルオーダーの微細な形状の実現と原子レベルでの欠陥や界面の制御の技術の組み合わせによって、高い機能をバラつきなく実現することが求められている。本講座では、企業の最先端の研究者を講師として招き、実際に製造現場の技術開発に応用されている材料解析技術とプラズマを用いた加工・表面処理技術について、基礎から応用までを学ぶことができる。
本講座の受講を通じて将来社会で必要とされる最先端のモノづくり技術(特に材料解析とプラズマ加工技術)についての基礎的な理解を深めるとともに、企業での研究者・エンジニアとして働くための心構えや現場の雰囲気を理解する。
半導体、LSI, デバイス、プロセス、微細化、プラズマ、ドライエッチング、微細加工、結晶欠陥、構造解析、表面分析、光物性、デバイス信頼性技術、物性シミュレーション、材料インフォマティクス
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ナノデバイス解析・加工に関する技術導入 | 半導体デバイスの進化とプロセス技術や解析技術との関わりを理解する |
第2回 | 解析1:半導体結晶の不完全性と評価技術 | 半導体デバイス結晶の基本的な性質とその評価目的について理解する |
第3回 | 解析2:構造評価技術(1) | 走査および透過電子顕微鏡の原理と基礎を解説する |
第4回 | 解析3:構造評価技術(2) | X線を用いた評価および3次元アトムプローブの原理と基礎を解説する |
第5回 | 解析4:電気的・光学的評価技術 | 電気的評価および光学的評価の原理と基礎を解説する |
第6回 | 解析5:表面分析技術 | 走査プローブ顕微鏡、2次イオン質量分析、光電子分光法の原理と基礎を解説する |
第7回 | 解析6:半導体デバイス信頼性評価 | 半導体発光デバイスを主にデバイス劣化現象と信頼性評価技術を解説する |
第8回 | 解析7:物性シミュレーションと材料インフォマティクス | 材料探索手法について、最新動向・将来動向について理解を進める |
第9回 | プラズマ1:プラズマとは? | 半導体デバイス製造におけるプラズマプロセスの役割を理解する |
第10回 | プラズマ2:中性粒子の制御 | プラズマ装置の中の中性粒子の運動を記述する |
第11回 | プラズマ3:荷電粒子の制御 | 電場及び磁場の印加と電子やイオンの運動の関係を理解する |
第12回 | プラズマ4:衝突を理解する | 原子・分子の電離、励起などの衝突反応を理解する |
第13回 | プラズマ5:イオンエネルギーの制御 | プラズマ中に設置した基板へのイオン加速とその制御機構を理解する |
第14回 | プラズマ6:プラズマ制御装置 | エッチングを例にプラズマと材料の反応制御機構のメカニズムを理解する |
第15回 | プラズマ7:応用プロセス | 最先端デバイス製造に用いられるプラズマ技術の現状と実例を知る |
各回の最初に配布(資料はOCW-iにもアップロード)
・前田 康二、竹内 伸:「結晶欠陥の物理」 裳華房(2011)
・坂 公恭:「結晶電子顕微鏡学」 内田老鶴舗(2005)
・ Michael K. Miller :” Atom Probe Tomography: Analysis at the Atomic Level “, Springer (2000)
・吉原 一紘: 「入門 表面分析 」 内田老鶴舗(2003)
・菅井 秀郎:「プラズマエレクトロニクス」 オーム社 (2000).
・Michael A. Lieberman, “Principles of Plasma Discharges and Materials Processing”, Wiley-Interscience (1994).
試験は行わず最後にレポートを提出
特になし。産業界での分析・解析やプロセス技術に興味のある学生
若林整(wakabayashi.h.ab[at]m.titech.ac.jp, 045-924-5594)
冨谷茂隆特任教授(Tomiya.s.aa[at]m.titech.ac.jp)
辰巳哲也特任教授(Tatsumi.t.ac[at]m.titech.ac.jp)
この講義はソニー(株)のDE (Distinguished Engineer*)による共同研究講座の一環として実施する。解析技術やプラズマ加工でお悩みの方はもちろん、企業での研究開発について聞いてみたい方や今後のキャリアを考える際の参考になる情報得たい方などの積極的な受講を期待する。
*DEはソニー全社で40名だけが任命されている技術の専門家に与えらえる称号