21世紀初頭より磁気浮上、磁気支持システムが実用化しつつある。JR山梨リニア実験線、名古屋のリニモ、上海のマグレブなどの磁気浮上列車が走行しつつある。一方、半導体製造プロセスではベアリングレスモータポンプによる超純水移送、磁気軸受を伴ったターボ分子ポンプなどが実現している。
本講義では超伝導磁気浮上、高温超伝導、磁気浮上列車などの磁気浮上系と、磁気軸受、ベアリングレスモータなどの磁気支持系について学ぶ。
超伝導、高温超伝導、永久磁石、電磁石などの材料、磁気回路について理解する。
超電導磁石を用いた誘導反発磁気浮上方式、高温超伝導を用いた磁気浮上方式、反発型永久磁石磁気浮上方式、吸引型電磁石磁気浮上方式などの構成、原理を理解する。
さらに、マグレブ等の列車、磁気軸受、ベアリングレスモータなどの原理、構成、特長を理解する。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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担当教員は磁気浮上、磁気支持の実務経験が豊富である。すなわち、30年以上にわたり、磁気浮上して回転するベアリングレスモータの研究を行い、数々の試作機を製作してきた。世界ではじめてのベアリングレスモータを試作した実務経験がある。また、Bearingless motorへの貢献で世界ではじめてIEEE Fellowになった。さらに、2020年IEEE Nikola Tesla Award (31のIEEE Technical Awardsのひとつ)をBearingless motorへの貢献で受賞している。Bearingless motorへの貢献で受賞したのは担当教員が世界で初めてである。 |
マグレブ、磁気支持、磁気浮上、磁気軸受、ベアリングレスモータ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義概要、今日の磁気浮上のデモ、あるいは、今日のビデオ、講義、演習レポート
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 01. この講義の教育内容 | 目標、成績評価方法・基準を説明。講義担当のオフィスアワーを説明。磁気軸受とベアリングレスモータのイントロ。磁気浮上のデモ。 |
第2回 | 02.ベアリングレスモータの応用例 | テキスト21章に基づき、ベアリングレスモータの応用を紹介する。なぜ、この応用が磁気浮上磁気支持が必要なのか,どのような効果があるのか。磁気浮上のデモも行う。 |
第3回 | 03. 磁気回路の解析 | 簡単な磁気回路とその解析、電磁力、非線形性, 磁束密度、磁気抵抗、起磁力、磁束鎖交数 |
第4回 | 04. 永久磁石の磁気回路解析 | BHカーブ、永久磁石の種類、等価回路、磁気回路解析、吸引力 |
第5回 | 05. ラジアル磁気軸受 | 構造、原理、電流、起磁力、等価回路、電磁力解析 |
第6回 | 06. 磁気軸受のモデル化 | 力と電流の関係、線形化、不平衡吸引力、ブロック線図 |
第7回 | 07. 磁気軸受の制御系の必要条件 | 磁気支持系の不安定性と、フィードバックコントローラの原理、設計 |
第8回 | 08. 磁気支持系のコントローラのパラメータと磁気軸受の応答 | パラメータと応答、外乱力の抑制と変位、積分制御 |
第9回 | 09. パワーエレクトロニクスとベアリングレスモータイントロ。 | パワエレ ベアレス |
第10回 | 10 課題解決 | report |
第11回 | 11 山梨磁気浮上列車 | 構造、超電導コイル、推進コイル、浮上コイル、試験運転、ビデオ、写真、組み立て、最新情報 |
第12回 | 12 リニモ、HSST | 構造、特質、歴史、低速磁気浮上列車の推進、磁気浮上、電磁力発生原理、フィードバック制御システム。 |
第13回 | 13 トランスラピッド磁気浮上列車 | 構造、高速鉄道、推進原理、電力供給方法、磁気浮上、上海マグレブ、ビデオ、状況 |
第14回 | 14 その他のマグレブ | 宮崎のマグレブシステムの構造、推進、磁気浮上原理、その他のマグレブの構造原理。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
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配布
授業中レポート60%、課外レポート20%,期末試験20%
電気機器学、パワーエレクトロニクスの基礎を習得していることが望ましい。
ハンドブックアプリを使用して演習を行います。スマホ、PC、タブレットなどを持参ください。