2023年度 原子力熱流体工学   Nuclear Reactor Thermal-hydraulics

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
加藤 之貴  村上 陽一  木倉 宏成  近藤 正聡  高橋 秀治 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(原講571, North 2-571)  木1-2(原講571, North 2-571)  
クラス
-
科目コード
NCL.N405
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2023年5月2日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

核分裂原子炉と核融合炉で発生する熱とその冷却の理論について、流動伝熱学に基づき講義を行う。また、発生した熱の動力へのエネルギー変換論について熱力学に基づき講義を行う。
核分裂原子炉と核融合炉の熱設計と冷却上の安全確保に必要な熱流動の専門的理論を修得させることが本講義のねらいである。

到達目標

学生が、次の項目について理論的な計算および定性的な説明ができるようになる。(1)原子炉における熱発生、(2)原子炉の燃料要素内等の伝導伝熱、(3)原子炉の単相流冷却、(4)冷却材の相変化、(5)原子炉の沸騰二相流冷却、(6)原子炉の安全性に関わる熱流動現象、(7)原子炉の熱から電気へのエネルギー変換

キーワード

核分裂、核融合、原子炉、ブランケット、冷却、熱伝導、対流伝熱、沸騰、凝縮、二相流、熱サイクル

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義を行い、各講義の内容に関する小テストを行って、次回の講義で小テストの評価結果を受講者に返却する形態を主とする。但し、進め方と評価方法は担当教員により異なり、この限りではない。各教員の説明・指示に従うこと。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 熱発生(1) 核分裂反応と核融合反応による発熱 質量欠損による発熱の計算
第2回 熱発生(2) 冷却材、構造材、熱しゃへい体の内部の発熱、崩壊熱 崩壊熱の計算
第3回 伝導伝熱(1) 燃料要素内の温度分布 燃料要素の中心と表面の温度差の計算
第4回 伝導伝熱(2) 燃料被覆材、構造材、第一壁の温度分布 遮蔽体内の温度分布の計算
第5回 熱流体のエネルギー (熱力学第一法則、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、蒸発、沸点) 熱流体のエネルギーの計算
第6回 燃料要素表面の温度(冷却材の対流・輻射伝熱) 燃料要素の表面温度の計算
第7回 伝熱の諸法則と無次元数(冷却法則と熱伝導則,熱抵抗,代表長さ,水力直径,無次元数,ハイスラー線図) 講義内容を具体的問題に活用できる能力の習得
第8回 強制対流伝熱(層流と乱流,平板上の流れ,円管・矩形ダクト内の流れ,境界条件,発達区間,摩擦損失係数と圧力損失,ムーディー線図) 講義内容を具体的問題に活用できる能力の習得
第9回 自然対流伝熱とふく射伝熱(自然対流の基礎式・根底にある諸関係・相関式,共存対流,ふく射の諸法則と電気回路アナロジー,自然対流伝熱とふく射伝熱の優越判断) 講義内容を具体的問題に活用できる能力の習得
第10回 実機への適用と性能評価(フィンとフィン効率,凝縮器,熱交換器,対数平均温度差と熱通過率,幾つかの役立つ知識) 講義内容を具体的問題に活用できる能力の習得
第11回 沸騰二相流 (1) 気液二相流(流動様式、二相流理論) 気液二相流の流動様式の説明
第12回 沸騰二相流(2) 沸騰二相流(熱伝達、クオリティ、限界熱流束) 沸騰二相流のクオリティの計算
第13回 高速炉や核融合炉における熱流動現象(液体金属や溶融塩の伝熱流動、磁場下熱流動、液体壁、トリチウム輸送) 講義で扱った熱流動現象の説明
第14回 原子炉の熱から電気へのエネルギー変換(蒸気タービンサイクル、ガスタービンサイクル、熱効率) 講義で扱った熱流動現象の説明

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

テキストは教員より配布します.

参考書、講義資料等

[1] 青木成文、原子炉熱工学,養賢堂
[2] 甲藤好郎、伝熱概論、養賢堂
[3] 甲藤好郎、ほか、伝熱学特論、養賢堂
[4] 植田辰洋、気液二相流、養賢堂
[5]S. Glasstone & A. Sesonske, Nuclear reactor Engineering (4th ed.), Chapman & Hall
[6] R. Byron Bird, et al., Transport Phenomena (2nd ed.), John Wiley & Sons, Inc.
[7] H. Schlichting & K. Gersten, Boundary Layer Theory (8th ed.), Springer

成績評価の基準及び方法

クイズとレポート、試験など。

関連する科目

  • NCL.N404 : 熱流動・放射線計測実験
  • NCL.N407 : 原子力安全工学
  • NCL.N406 : 原子炉理論
  • NCL.A402 : 核融合炉工学
  • TSE.A205 : 流体工学基礎
  • MEC.E201 : 熱力学(機械)
  • MEC.E311 : 伝熱学
  • SCE.M302 : 熱工学基礎
  • NCL.D403 : シビアアクシデント工学実験

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

熱力学、流体工学、伝熱学、熱工学を履修していることが望ましい。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

教授 加藤之貴:kato.y.ae[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-2967
教授 村上陽一:murakami.y.af[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-3836
准教授 木倉宏成:kikura.h.aa[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-3058
准教授 近藤正聡:kondo.m.ai[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-3065
助教 高橋秀治:takahashi.h.av[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-2377

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