2021年度 原子力安全と倫理   Nuclear Safety and Engineering Ethics

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
加藤 之貴  相樂 洋  大場 恭子  吉澤 厚文  松井 亮太 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2  
クラス
-
科目コード
NCL.F401
単位数
1
開講年度
2021年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2021年4月6日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義では,単に講義にとどまらず,その後における向上目標につながる「なぜ倫理を学び,習得しなければならないのか」を重視しながら,原子力に関わる研究,開発,実務において,必要な倫理について学ぶ。
倫理的意思決定のあり方,またその意思決定に基づいた行動を取るためになにが必要なのかを,研究,開発,実務それぞれのフェーズにおける仮想事例,実事例を交えながら講義することで,原子力技術の社会との関係も理解し,原子力技術の担い手として,その責任をいかに果たせば良いかの習得を目指す。
講義は,倫理的な科学者・技術者としての行動実践を目指していることから,一方的な講義形式ではなく,学生同士のグループディスカッションや講師と学生感の双方向ディスカッション(クラスディスカッション)を重視しており,受講生自らが考える時間をできるだけ多く持つ予定である。

到達目標

本講義を履修することによって,次の知識および能力を習得する。
①原子力技術が,どのような価値(考え)によって開発・発展してきたのかを理解する。
②倫理的意思決定の方法を理解し,それを事例において実践できる。
③自らが倫理観をもつことの必要性と重要性を理解し,自らがどのように責任を果たすべきかを自らの言葉で語ることができる。

キーワード

科学者倫理,技術者倫理,事例研究,リスクコミュニケション,アウトリーチ活動,レジリエンスエンジニアリング,安全文化

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義形式とディスカッション形式を織り交ぜて行う。内容によって,講義形式が主となる回,ディスカッション形式が主となる回があるが,全体では,講義形式が6割程度を予定している。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 本講義の概要と狙い:研究開発および安全⽂化,セキュリティー⽂化における倫理 研究開発および安全⽂化,セキュリティー⽂化における倫理観の必要性を理解する
第2回 原⼦⼒開発において重視すべき価値と倫理的意思決定の⽅法:学会倫理規程,セブン・ステップ・ガイド 原爆開発と倫理 原爆開発の事例から,倫理の難しさを理解する
第3回 行動倫理学の基礎と理論 従来の倫理学(規範倫理学)と行動倫理学の違いを理解する。
第4回 原⼦⼒発電所の事故・トラブルと倫理 TMI,チェルノブイリ,JCO等事故および不祥事 原⼦⼒発電所の事故・トラブルを倫理の視点から説明できる。
第5回 積極的倫理とレジリエンス・エンジニアリング レジリエンス・エンジニアリングが説明できる。
第6回 福島第⼀原⼦⼒発電所事故とレジリエンス・エンジニアリング -事故からの学び 福島第⼀原⼦⼒発電所事故からの学んだことを説明できる
第7回 原⼦⼒技術におけるアウトリーチ活動の重要性 向上目標としての倫理 原⼦⼒技術におけるアウトリーチ活動の重要性を説明できる 倫理観を常に向上させる意識を持つ

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし。ただし,多くの学協会や技術者などが関連する書籍等をしており,是非自らにあったものの一読を希望する。

参考書、講義資料等

講義資料は,pptの抜粋等,必要なものを適宜提供する。

成績評価の基準及び方法

各回の講義における小レポート(7割)および最終レポート(3割)にて評価する。

関連する科目

  • NCL.F451 : 原子力基礎工学第一
  • NCL.U507 : 原子力国際関係論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

オフィスアワー

10:00-15:00

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