2019年度 放射性物質環境動態実習   Environmental Dynamics of Radioactive Material

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
竹下 健二  松本 義久  相樂 洋  韓 治暎  江幡 修一郎  古野 朗子 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (未定)  
クラス
-
科目コード
NCL.O512
単位数
3
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年6月12日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本授業では、原子力事故及び核テロ等に起因する原子力災害時放出される放射性物質の大気拡散を計算・比較・評価する集中講義・実習を実施する。妨害破壊行為やRDD (Radiological Dispersal Device) の使用等の核セキュリティ事案発生による放射性物質の小規模拡散から原子力発電所事故等による大規模拡散までを含む環境動態を学習する。講義では、放射性物質放出、大気拡散モデル、水環境動態、生物影響、原子力災害規制体制等、実習では、1) 核テロによる放射性物質の拡散 (小規模拡散); 大気拡散のプルームモデルを用いた簡易計算、緊急時現地で素早く拡散評価が可能な計算コードを使った計算・比較、2) 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 (大規模拡散); 環境線量情報予測システムを使った大気拡散シミュレーション等を、学習する。本授業は、放射性物質の小規模及び大規模の大気拡散に影響する諸因子 (気象条件、放射性核種の種類及び放出条件、地形や都市環境条件等) の特性を定量的に理解、原子力災害時放出される放射性物質の大気拡散に対する迅速な対応能力を修得することを目的としている。また、原子力災害時迅速な住民保護・避難の重要性を計算・評価結果から理解する。

到達目標

本授業を履修することにより以下の能力を修得する。
1) 原子力事故及び核テロ等に起因する原子力災害時放射性物質の大気拡散に対する総合的・体系的な思考・対応能力
2) 原子力災害時迅速な対応に必要な技術能力 (放射性物質の大気拡散放の計算・評価等)
3) 原子力災害時迅速な住民保護・避難の重要性を理解する能力

キーワード

放射性物質拡散、大気拡散、原子力災害対応、原子力発電所事故、核セキュリティ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

各実習を実施する前に関連講義を行い、実習後には発表・議論を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 (8月23日 (金) 09:00-10:30) 原子力事故と放射性物質放出 原子力事故の評価尺度と分類を理解、核分裂生成物の生成と特徴、原子力事故ソースタームについて学習
第2回 (8月23日 (金) 10:45-12:15) 大気拡散環境動態モデル 様々な大気拡散解析モデルの特徴を理解、WSPEEDI-IIの気象データ及び粒子拡散の計算モデルについて学習
第3回 (8月23日 (金) 13:15-14:45) 水環境動態一般 水環境・循環の基礎知識を習得、河川の汚濁と自浄のプロセス及び解析モデル、放射性物質の地下水での移動について理解
第4回 (8月23日 (金) 15:00-16:30) 放射性物質の生物影響 放射性物質の確率的・確定的影響を理解、外部被ばくと内部被ばくについて学習
第5回 (8月23日 (金) 16:45-18:15) 原子力災害規制体制 我が国の原子力災害規制体制を理解
第6回 (8月24日 (土) 09:00-10:30) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 環境線量情報予測システムの使用法 (1) WSPEEDI-IIコードの使用法を習得 (1)
第7回 (8月24日 (土) 10:45-12:15) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 環境線量情報予測システムの使用法 (2) WSPEEDI-IIコードの使用法を習得 (2)
第8回 (8月24日 (土) 13:15-14:45) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 基準シナリオ (福島原子力発電所事故) の放射性物質の拡散計算 (1) WSPEEDI-IIコードを用いて基準シナリオの放射性物質の大気拡散をシミュレーション (1)
第9回 (8月24日 (土) 15:00-16:30) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 基準シナリオ (福島原子力発電所事故) の放射性物質の拡散計算 (2) WSPEEDI-IIコードを用いて基準シナリオの放射性物質の大気拡散をシミュレーション (2)
第10回 (8月25日 (日) 09:00-10:30) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 各自シナリオ(気象条件変更)の放射性物質の拡散計算 (1) WSPEEDI-IIコードを用いて各自シナリオの放射性物質の大気拡散をシミュレーション (1)
第11回 (8月25日 (日) 10:45-12:15) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 各自シナリオ(気象条件変更)の放射性物質の拡散計算 (2) WSPEEDI-IIコードを用いて各自シナリオの放射性物質の大気拡散をシミュレーション (2)
第12回 (8月25日 (日) 13:15-14:45) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 計算結果の比較分析・評価 (1) シミュレーション結果を比較分析・評価、発表・議論資料を作成 (1)
第13回 (8月25日 (日) 15:00-16:30) 実習 2: 原子力発電所事故による放射性物質の拡散 - 計算結果の比較分析・評価 (2) シミュレーション結果を比較分析・評価、発表・議論資料を作成 (2)
第14回 (8月26日 (月) 09:00-10:30) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - プルームモデルを用いた大気拡散簡易計算法 プルームモデルを用いた大気拡散の簡易計算法を学習
第15回 (8月26日 (月) 10:45-12:15) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 核テロシナリオ設定と放射性物質の大気拡散簡易計算 簡易計算法を用いて放射性物質の大気拡散を計算
第16回 (8月26日 (月) 13:15-14:45) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 緊急時対応放射性物質の大気拡散簡易計算コードの使用法 (1) HotSpotコードの使用法を習得 (1)
第17回 (8月26日 (月) 15:00-16:30) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 緊急時対応放射性物質の大気拡散簡易計算コードの使用法 (2) HotSpotコードの使用法を習得 (2)
第18回 (8月27日 (火) 09:00-10:30) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 簡易計算コードを用いた放射性物質の大気拡散計算 (1) HotSpotコードを用いて放射性物質の大気拡散を計算 (1)
第19回 (8月27日 (火) 10:45-12:15) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 簡易計算コードを用いた放射性物質の大気拡散計算 (2) HotSpotコードを用いて放射性物質の大気拡散を計算 (2)
第20回 (8月27日 (火) 13:15-14:45) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 計算結果の比較分析・評価 (1) 計算結果を比較分析・評価、発表・議論資料を作成 (1)
第21回 (8月27日 (火) 15:00-16:30) 実習 1: 核テロによる放射性物質の拡散 - 計算結果の比較分析・評価 (2) 計算結果を比較分析・評価、発表・議論資料を作成 (2)
第22回 (8月28日 (水) 13:00-14:30) 発表・議論 (1) 実習結果を発表・議論 (1)
第23回 (8月28日 (水) 14:30-16:00) 発表・議論 (2) 実習結果を発表・議論 (2)

教科書

特に指定しない

参考書、講義資料等

参考書:
- Steven G. HOMANN and Fernando ALUZZI, “HotSpot Health Physics Codes Version 3.0 User’s Guide,” National Atmospheric Release Advisory Center, Lawrence Livermore National Laboratory, LLNL-SM-636474, 2014.
- 中西千佳, 佐藤宗平, 古野朗子, 寺田宏明, 永井晴康, 武藤重男, “原子力緊急時対応のためのWSPEEDI-IIシステムユーザーズマニュアル,” 原子力緊急時支援・研修センター, 日本原子力研究開発機構, JAEA-Technology 2011-005, 2011.

講義資料:
必要に応じ講義・実習の前及び開始時に資料を配布。

成績評価の基準及び方法

授業中の発言及び参加度 (30%)、実習課題の達成度及 (30%)、実習結果の発表・議論 (20%)、レポート (20%)

関連する科目

  • NCL.O401 : 核不拡散・核セキュリティ学概論
  • NCL.O511 : 核不拡散・核セキュリティ学実習

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

受講生の人数制限を設けている。

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