「医用生物工学」は、生物工学の技術を利用することによって医用に役立てる技術開発を行うための工学体系である。応用する医用分野は、がんをはじめとする生活習慣病など様々な疾病が対象となる。講義では人に応用する材料や技術を開発する上での基礎を学ぶとともに、イメージング・バイオマーカーなどを用いた疾患診断技術や、再生医療・ドラックデリバリーシステム・がん治療などの創薬開発についても学ぶ。
本講義を履修することによって次の知識を取得する。
1)医用応用に向けた生物工学の基礎
2)アレルギー疾患と抗体について
3) 生活習慣病の診断抗体医薬について
4) 生活習慣病と血管への影響について
5)ドラックデリバリーシステムの基礎と応用
6)バイオセンサの基礎と応用
生物工学材料、体内動態、イメージングプローブ、ドラッグデリバリーシステム、バイオセンサ、感染症、生活習慣病、アレルギー、がん、がんの診断、がんの治療
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
PPTを使った講義形式で進めていくが、講義の最後に課題小テストを実施する。事前にOCWiで配布される資料に目を通し、予習を行うこと。特に、専門用語の英語は予め理解しておくこと。
本講義は全て英語で行うが、必要に応じて日本語で概説を入れる場合もある。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 本科目に関する連絡と概要:がんの生物学/がんの治療法 | どのような材料が生体内に導入できるかを説明する。がんの基本的知識や治療法を説明する |
第2回 | 抗体反応に基づく診断技術 | 抗体反応に基づく診断技術について説明する |
第3回 | 生体のしくみを利用するバイオ医薬品について | バイオ医薬品について説明する |
第4回 | アレルギー疾患の病態とその治療法 | アレルギー疾患の病態に関する基本的なメカニズムのほか、従来の治療法について説明する |
第5回 | 抗体反応に基づく診断技術および治療法 | 抗体反応に基づく診断技術および治療法 |
第6回 | 循環器疾患の治療と問題点 | 難治性の循環器系疾患についての説明をする |
第7回 | 循環器系疾患のドラッグデリバリーシステム | 循環器疾患に対するDDSの現在の開発状況と展望を説明する |
第8回 | DDSの実践(製薬企業の立場から) | 企業におけるDDSについて説明する |
第9回 | 生活習慣病のリスクについて | 生活習慣病とそのリスクについて説明する |
第10回 | 生活習慣病の血管への影響 | 生活習慣病の血管への影響について説明する |
第11回 | バイオセンサの基礎と応用 | バイオセンシングについて説明する |
第12回 | 人体のしくみに基づいたドラッグデリバリーシステム(DDS)の設計理論について | 人体のしくみに基づいたDDSの設計理論を説明する |
第13回 | 上市あるいは臨床試験中のDDS、核酸医薬等のバイオ医薬品のDDSの最前線 | DDSの開発状況とこれからの医薬品分野における位置付けを説明する |
第14回 | まとめ:最先端の生物工学を基盤とした診断・治療技術について | 医用応用における生物工学の役割を説明する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定する教科書はありません
必要に応じ講義開始時に資料を配布し、Power point を用いた解説を行う。講義に用いるPower pointは予めT2SHILAに開示するので予習・復習等に用いること。
毎回の講義の後に課題小テストを課す。小テストをT2SCHOLAなどの方法により提出し、この結果に基づき成績を決める。科目終了時の課題レポートは無し。
小テストの解答に不適切な引用や剽窃があった場合は、厳正に対処する。当該科目の点数がゼロになることもある。
履修条件は特に設けないが、関連する科目を履修しているなど、生物学・生化学の基礎的な知識を持っていること。