2022年度 エネルギー経済・政策特別講義   Special lecture of economics and politics in energy

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開講元
エネルギーコース
担当教員名
時松 宏治  村山 武彦  増井 利彦  泉田 良輔  加治木 紳哉  久谷 一朗  前田 章 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金3-4(S321)  
クラス
-
科目コード
ENR.B436
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年9月5日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 講義の概要は次の通りである。エネルギーは技術的側面だけではなく、社会、産業、経済、政策、様々な側面から理解する必要がある。本講義では、これら多様な側面をリスクの視点で各分野のトピックを解説することで、エネルギー関連業種に就職する学生の啓蒙を行う。技術志向の高い本学学生に鑑み、エネルギー技術のリスクから始め、産業のダイナミズム、国際情勢とマーケット、政策とリスクとその対処を、実例を織り交ぜて、関連各分野のエッセンスをコンパクトに紹介する。
 講義のねらいは、出身と卒業後進路が多様な受講者に対し、基礎知識の前提を必要とせずに概念を理解し、講義において学習した概念を卒業後に思い出して、業務遂行の知識やツールボックスの基礎を与えることにある。エネルギーと社会、経済、政策との接点をリスクの視点で体系化を試みた本講義は、卒業後の多様な分野の実務に役立つよう構成している。多くの学生諸君に受講を勧める。

1. エネルギー技術のリスクガバナンス(村山武彦先生(融合系))
 エネルギー技術を社会実装する際には、技術とリスク、公衆需要や心理など、幅広なバックグラウンドを理解・動員する技術のリスクアセスメントやリスクガバナンスが必要である。再生可能エネルギーや原子力などの技術導入の実例を通じて理解する。
2. エネルギー技術の(加治木紳哉先生(同志社大学))
 エネルギーの技術や資源を開発し、導入普及を進めるには行政支援と企業努力が必要である。我が国におけるエネルギー開発の政策、技術導入の企業努力、技術普及の政策的手法などを、実例を通じて理解する。
3. 地球温暖化対策とエネルギー(増井利彦(工学院・経営工学系、国立環境研究所)
 地球温暖化とその対策の全体を概観し、エネルギー分野における対策の重要性について理解する。
4. 産業のダイナミズム:電機、自動車、ITなどを例に(泉田良輔先生(GFリサーチ代表))
 日本を支えてきた電機産業の盛衰と、異業種融合戦の様相を呈する自動車産業(googleとトヨタ)やスマートグリッド(電力、ガス、IT、ディベロッパー)など、エネルギーに関連する産業のダイナミズムの分析事例を通じて、今後のエネルギー関連産業の潮流に触れる。
5. 国際エネルギー秩序と安全保障(久谷一郎先生(一般財団法人 エネルギー経済研究所))
 石油・ガス、石炭の国際市場における価格の仕組みに始まり、価格や供給・国際貿易の安定と秩序維持のための国際エネルギー機関(IEA)などの枠組み、中国・インド・アセアン諸国のエネルギー需要増大や米国シェールガス、中東情勢など、今後の安全保障をとりまく情勢を理解する。
6. エネルギーデリバティブ(前田章先生(東京大学))
 エネルギーマーケットにおけるデリバティブ等の金融工学等の手法を理解するために、資産市場の基礎から解説し、価格決定とその変動リスク、その安定化について理解する。
7. エネルギー政策(ゲストスピーカー)
 産業育成、市場安定化、資源確保など、我が国のエネルギーを取り巻くあらゆるリスクを、その政策手段(規制、行政指導、税制、補助金)、政策の形成過程などを、戦後から現在にかけて解説・評価し、今後の政策のあり方を理解する。

到達目標

 本講義を履修することによって、次の能力を修得する。
1)エネルギー経済・政策分野において、広く扱われる概念や理論を理解し、説明することができる。
2)様々な分野におけるエネルギー問題に対する課題設定と、それへの解決策に対し、講義内容の適用を行うことができる。

キーワード

エネルギーのリスク、マネジメント、産業、安全保障、マーケット、政策

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の最初10分程度、前回講義の振り返りを行った上で、その日の授業(ライブ型(Zoom))を行います。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 リスクアセスメント、リスクガバナンス エネルギーを中心としたリスクとの関係が説明出来る。
第2回 エネルギー技術の研究開発普及 エネルギー技術の研究開発普及の経緯が説明できる。
第3回 地球温暖化対策とエネルギー エネルギーと温暖化対策の関係が説明できる。
第4回 エネルギー産業のダイナミズム エネルギー関連産業の潮流が説明できる。
第5回 国際エネルギー秩序と安全保障 エネルギー安全保障の情勢が説明できる。
第6回 エネルギーマーケットの経済とファイナンス エネルギーマーケットとファイナンスの役割が説明できる。
第7回 エネルギー政策 様々なリスクに対する政策的対応が説明できる。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

各回講義資料を配布。また各回講義において参考書が紹介される。

成績評価の基準及び方法

毎回の宿題(10点×7回)、最終レポート30点

関連する科目

  • ENR.A408 : エネルギーシステム経済論
  • GEG.S402 : 資源環境技術のシステムと経済学概論
  • GEG.E421 : エネルギーと環境 第1

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

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