現代科学技術の最先端であるナノテクノロジーは、1980年代前半、IBMチューリッヒのBinnig博士とRohrer博士による走査型プローブ顕微鏡の発明から生まれた。この講義では、それが、ナノスケールの世界に対して、どのように新しい方法論を与えたか、また物理から分子生物学に至る広い領域で、どのような展開がなされているかを議論する。
この講義では、ナノテクノロジーとナノサイエンスの現状と、現代の最先端の研究にどのように導入されているかを理解する。
ナノテクノロジー、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、近接場光学顕微鏡(SNOM)、単一分子計測(SMD)、バイオインターフェース、自己組織化単分子膜(SAM)
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基礎と応用の講義、特定な課題についてのディスカッション、また、レポートと試験の為に課題を与える。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ナノテクノロジーとナノサイエンス概論 | ナノテクノロジーとナノサイエンスの歴史と現状を理解する |
第2回 | 走査型プローブ顕微鏡の歴史:観察から操作まで | 走査型プローブ顕微鏡の歴史と現状を理解する |
第3回 | 走査型トンネル顕微鏡1:表面化学と相転移 | 走査型トンネル顕微鏡の表面化学と相転移への応用を理解する |
第4回 | 走査型トンネル顕微鏡2:自己組織化単分子膜 | 走査型トンネル顕微鏡の自己組織化単分子膜への応用を理解する |
第5回 | 原子間力顕微鏡1:生体分子と表面力 | 原子間力顕微鏡の生体分子と表面力測定への応用を理解する |
第6回 | 原子間力顕微鏡2:単一分子計測 | 原子間力顕微鏡の単一分子計測への応用を理解する |
第7回 | 近接場光学顕微鏡とその他の手法:蛍光寿命、近接場効果、今後の展望 | 近接場光学顕微鏡とその他の手法、ならびに今後の展望を理解する |
第8回 | ナノバイオテクノロジーの概要 | ナノバイオテクノロジーという研究分野が生まれた背景、分野の概要に関して理解する |
第9回 | バイオ界面の構築方法 | 生体と材料の界面を構築する方法を理解する |
第10回 | 医療分野におけるバイオ界面の重要性 | 医療分野におけるバイオ界面の重要性・応用例について理解する |
第11回 | バイオ界面における分子間相互作用1 | バイオ界面(水中)における相互作用を理解する:真空中・空気中の違いについて |
第12回 | バイオ界面における分子間相互作用2 | バイオ界面(水中)における相互作用を理解する:DLVO力・溶媒による力について |
第13回 | 分子間相互作用を利用したバイオセンシング | バイオセンシングの種類・原理について理解する |
第14回 | バイオ界面における分子間相互作用の解析 | 分子間相互作用の解析方法を理解する |
第15回 | ナノテクノロジーに関する総合討論 | 化学物質の構造と物性のナノスケールに至る新しい観点を理解する |
未定
未定
化学物質の構造と物性のナノスケールに至る新しい観点の理解度を評価する。期末レポート(80%)、演習ディスカッション(20%)で成績を評価する。
特になし。物理化学の基礎的な知識を有することが望ましい。