2023年度 高電圧工学   High Voltage Engineering

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開講元
電気電子系
担当教員名
竹内 希  赤塚 洋 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(M-124)  金3-4(M-124)  
クラス
-
科目コード
EEE.P331
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2023年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

この講義は電力機器や電気機器に使われる高電圧・絶縁技術とその応用事例を述べる。気体の絶縁破壊と放電の発生、液体/固体/複合誘電体の電気伝導と絶縁破壊について述べるとともに、直流、交流、パルス高電圧および大電流の発生と計測、サージ電圧の伝搬と保護について説明する。また、がいし、ケーブル、開閉装置、避雷器などの電力機器や、高電圧大電流試験装置、加速器、電気集塵機、オゾナイザをはじめとした応用機器について解説する。

到達目標

講義終了時点で受講生は、1) 高電圧・電力機器やエレクトロニクス機器内で使われている高電圧技術について基礎理論と動作原理とを理解し、2) 産業応用例を説明することができる。3) また高電圧・大電流の測定および試験方法を理解するとともに、4) 回路シミュレータLTspice® による高電圧・大電流発生回路の解析を行うことができる。

実務経験のある教員等による授業科目等

該当する 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容)
本講義では、民間企業でレーザー/プラズマ機器向けの高電圧機器開発調整に携わった実務経験を持つ教育担当教員が、その実務経験を活かし,高電圧機器についての安全取扱・設計開発・保守点検など、現場で留意すべき工学上の諸問題についても教育を行う。

キーワード

高電圧、大電流、絶縁体、絶縁破壊、火花電圧、インパルス電圧、分圧器、がいし、ガス絶縁開閉装置、遮断器、避雷器、電気集塵機、オゾン発生器

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)
・電気電子分野の応用専門力

授業の進め方

教科書に沿って授業を進めるが、高電圧機器の見学、シミュレータによる回路動作の可視化を加え、また適宜(前半では特に)宿題を課す。各回の講義内容と達成目標と提示するとともに、後半ではクラウドシステムを使った予習・復習の支援とアクティブラーニングを実施する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 高電圧工学の基礎(電気インフラ、高電圧現象とその扱い、静電界の基礎、電界の不平等性とその視覚化) 教科書第1章精読。第1章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第2回 気体と荷電粒子の性質(気体の性質、気体の衝突と反応速度、荷電粒子の輸送現象、荷電粒子の基礎過程) 教科書第2章精読。第2章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第3回 気体放電の基礎過程(放電開始のプロセス、絶縁破壊(放電開始)理論) 教科書第3章精読。第3章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第4回 特殊環境下での気体放電(高圧気体中の放電、真空中の放電、負性気体中の放電、混合気体中の放電) 教科書第4章精読。第4章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第5回 気体放電とプラズマ(放電の電圧電流特性、コロナ放電、グロー放電、アーク放電、高周波放電、プラズマの定義と性質) 教科書第5章精読。第5章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第6回 放電プラズマの産業利用(コロナ放電の産業利用、誘電体バリア放電の産業応用、グロー放電の産業応用、アーク放電の産業応用、電気流体力学現象の利用) 教科書第6章精読。第6章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第7回 理解度確認と前半のまとめ 理解度確認と到達度自己評価。
第8回 液体・固体誘電体の性質と絶縁破壊(液体と固体の電気的特性、誘電体の電気伝導と荷電粒子の発生、液体の絶縁破壊、固体の絶縁破壊)。複合誘電体の放電(高電圧の絶縁に複合誘電体を用いる理由、複合誘電体中の電界、沿面放電、ボイド放電、トリー、油浸絶縁、放電バリア効果) 教科書第7, 8章精読。第7, 8章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第9回 高電圧機器(がいし、ブッシング、電力ケーブル、開閉設備) 教科書第9章精読。第9章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第10回 雷現象と過電圧(雷雲と雷放電、直撃雷とその防御、雷過電圧(雷サージ)の発生とその抑制) 教科書第10章精読。第10章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第11回 高電圧の発生と計測(高電圧の発生) 教科書第11章精読。第11章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第12回 高電圧の発生と計測(高電圧の測定) 教科書第11章精読。第11章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第13回 高電圧の発生と計測(大電流の測定) 教科書第11章精読。第11章の章末問題とその類似問題に解答できる。
第14回 高電圧絶縁試験。後半のまとめ 配布資料や参考図書の精読。到達度自己評価。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

高木浩一、向川政治、竹内希、高橋克幸、門脇一則 共著 「高電圧工学」 森北出版 (2022) ISBN: 978-4-627-78751-3

参考書、講義資料等

参考書I:日髙邦彦『高電圧工学』 数理工学社、ISBN: 978-4-901683-59-3
参考書II:河村達雄・河野照哉・柳父悟 『高電圧工学』 [3版改訂] 電気学会、ISBN: 978-4-88686-237-3
参考書III:花岡良一 『高電圧工学』森北出版、ISBN: 978-4627742512
参考書IV:山本修・濱田昌司『高電圧工学』オーム社、ISBN: 978-4274214448

成績評価の基準及び方法

理解度確認50点、グループワークおよび期末試験50点

関連する科目

  • EEE.P321 : 電力工学第一
  • EEE.P322 : 電力工学第二
  • EEE.P341 : 電力エネルギー変換工学
  • EEE.C301 : 電子計測

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

電磁気学第一(EEE.E201.R)、電磁気学第二(EEE.E202.R)、電気回路第一(EEE.C201.R)、電気回路第二(EEE.C202.R)を履修していること,または同等の知識があること。

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