2022年度 離散時間システム   Discrete-Time System

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開講元
電気電子系
担当教員名
黒澤 実 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水1-2(S222)  
クラス
-
科目コード
EEE.M241
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

電気電子工学や情報通信工学で,離散時間の信号とシステムは必須です。連続的な時間のシステムの解析にはラプラス変換が有用です。同様に,離散的な時間のシステムでは,z変換は信号とシステムの振る舞いの解析と表現に重要な役割を演じます。ここにあげた離散時間のシステムは線形時不変システムの一例であり,この考え方は広く線形時不変システムに適用することができます。具体的な講義項目は,離散時間の信号とシステム,z変換と逆z変換,z変換の性質,伝達関数と周波数特性,FIR回路とIIR回路,s-z変換,フィルタ回路,システムの安定性,などです。
本講義では,離散時間システムに関する解析手法であるz変換の考え方を理解し,その電気電子工学及び情報通信工学に応用するための基礎を築くことを目的とします。さらに,線形時不変システムにおいて時間領域と周波数領域の扱い方の基礎を理解し身につけます。

到達目標

本講義を履修することによって,離散時間システムにおいて信号を時間領域と周波数領域で考えることができるようになることを到達目標とします。さらに,このような考え方ができる条件や,離散時間システムの振る舞いを解析する数学的手段としてのz変換について理解でき,これらの数学的手法を電気電子工学,情報通信工学で応用できるようになることを目標とします。

キーワード

差分方程式,線形時不変システム,たたみ込み,z変換,逆z変換,伝達関数,周波数特性,FIRフィルタ,IIRフィルタ,s-z変換,デジタルフィルタ,デジタル信号処理,システムの安定性

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)
・電気電子分野の基礎専門力

授業の進め方

毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 離散時間システムとは  ー離散時間信号,離散時間システムの数学的表現 離散時間システムの差分方程式による表現
第2回 離散的な時間の信号とその応答  ーインパルス応答,線形時不変システム,たたみ込み 線形時不変システムとたたみ込みによる出力信号
第3回 z変換と逆z変換の定義とz変換の性質  ー線形性,時間シフト,時間領域たたみ込み z変換の性質と逆z変換
第4回 伝達関数と周波数特性  ーインパルス応答・差分方程式と伝達関数,周波数特性 伝達関数と出力信号,周波数特性の関係
第5回 FIR回路とIIR回路の伝達特性  ー1次,2次の低域通過,高域通過,帯域通過,帯域阻止 回路構成と伝達特性
第6回 フィルタ回路の構成と応答  ーFIRフィルタの設計,直線位相特性 FIRフィルタの特徴と設計法の習得
第7回 sーz変換とフィルタ回路  ーバターワース特性,インパルス不変変換,双一次変換 システムの安定性 ー安定の条件,零点と極 フィルタ特性からs-z変換を用いたIIRフィルタの設計法 z平面上での極配置と応答,安定性

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

太田正哉『ディジタル信号処理入門』コロナ社,ISBN978-4-339-00857-9

参考書、講義資料等

講義資料はT2SCHOLAにより配布する。
参考書は下記の通り。
大石邦夫『はじめて学ぶ信号処理』コロナ社,ISBN978-4-339-00847-0
樋口,川又『ディジタル信号処理(第2版)』森北出版,ISBN978-4-627-79212-8

成績評価の基準及び方法

差分方程式による離散時間システムの表現と,z変換による離散時間システムの振る舞いの解析と考え方,計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価する。期末レポート(90%),演習課題(10%)を基準として成績を評価する。

関連する科目

  • EEE.M211 : フーリエ変換とラプラス変換
  • EEE.C311 : 応用電子回路
  • EEE.C321 : デジタル回路

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

フーリエ変換及びラプラス変換(EEE.M211)を履修していること,または同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

黒澤実 mkur[at]ee.e.titech.ac.jp, 045-924-5598

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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