2017年度 電子デバイス第一   Electron Devices I

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開講元
電気電子系
担当教員名
宮本 恭幸  大見 俊一郎 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(S221)  金1-2(S221)  
クラス
-
科目コード
EEE.D351
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2017年3月21日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 本講義では,集積回路に用いられる主要な電子デバイス(半導体デバイス)である,pnダイオード,金属-酸化膜-半導体(MOS)ダイオード,バイポーラトランジスタおよびMOSトランジスタの動作特性を学習する。2端子デバイスのpnダイオードとMOSダイオード,および3端子デバイスのバイポーラトランジスタとMOSトランジスタについてデバイス構造と基本動作を説明する。集積回路における3端子デバイスの重要性を理解することにより,それぞれの電子デバイスを集積回路に応用するための基礎を築く。さらに,集積回路の基本ゲートである相補型MOSトランジスタ(CMOS)と,電力変換デバイスとして重要なパワーデバイスの基本動作を説明する。講義と演習により,電子デバイスの動作特性の理解を深める。
 今日の情報化社会を支える電子情報機器に用いられる集積回路は,ダイオードやトランジスタなどの電子デバイスを,高密度に集積化することにより構成されている。したがって,より高性能な集積回路を実現するためには,電子デバイスを高性能化することが不可欠であり,電子デバイスの動作原理を理解することが重要である。本講義により,電子デバイスの動作が半導体中の電子やホールの振る舞いを,高精度に制御することにより実現されていることを理解する。

到達目標

 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)トランジスタの増幅作用とは何かを説明できる
2)pnダイオードのバンド図を用いて電流-電圧特性における整流作用を説明できる
3)バイポーラトランジスタの動作特性と,高速化のためのデバイス設計を説明できる
4)MOSダイオードの反転特性とMOSトランジスタの動作特性および微細化のためのデバイス設計を説明できる
5)nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタによるCMOSの構成と特徴を説明できる
6)パワーデバイスの構造と特徴を説明できる

キーワード

半導体デバイス,pnダイオード,バイポーラトランジスタ,MOSダイオード,MOSトランジスタ,CMOS,パワーデバイス

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

 毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 増幅とは何か?および半導体物理の復習 トランジスタの増幅特性の説明と半導体物理の復習
第2回 pnダイオード pnダイオードのバンド図と整流特性の説明
第3回 バイポーラトランジスタの動作 バイポーラトランジスタの構造と電流-電圧特性の説明
第4回 バイポーラトランジスタの等価回路 pnダイオードを用いた等価回路モデルと小信号等価回路の説明
第5回 バイポーラトランジスタ:コレクタの設計 バイポーラトランジスタの諸効果とコレクタ設計の説明
第6回 バイポーラトランジスタ:速度の推定 バイポーラトランジスタの高周波特性と動作速度の説明
第7回 バイポーラトランジスタにおける再結合 キャリヤの再結合を考慮した電流-電圧特性の説明
第8回 理解度確認演習 第1回から第7回までの理解度確認と到達度自己評価
第9回 MOSトランジスタの概略と微細化 MOSトランジスタの構造とスケーリングの説明
第10回 MOSダイオード MOSダイオードのバンド図と容量-電圧特性の説明
第11回 MOSトランジスタの基本特性 MOSトランジスタの構造と電流-電圧特性の導出
第12回 MOSトランジスタのしきい値電圧 MOSトランジスタのしきい値電圧の導出
第13回 MOSトランジスタの高速動作 MOSトランジスタの等価回路と高周波特性の説明
第14回 CMOSの動作と基本特性 CMOSの基本構成と基本的な動作の説明
第15回 パワーデバイス パワーデバイスの種類と動作特性の説明

教科書

宮本恭幸『電子デバイス』 培風館, ISBN978-4-563-06991-9

参考書、講義資料等

古川静二郎 『半導体デバイス』 コロナ社, ISBN3355-030241-2353

成績評価の基準及び方法

pnダイオード,バイポーラトランジスタ,MOSダイオード,MOSトランジスタ,CMOS,パワーデバイスの動作について,その理解度を評価。配点は,理解度確認演習・期末試験(80%),演習・レポート(20%)。

関連する科目

  • 電子デバイス第二(EEE.D352)
  • 記憶デバイス(EEE.D371)
  • 電力デバイス(EEE.D381)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

半導体物性(EEE:D211)を履修していること。

オフィスアワー

(宮本)メールで事前予約すること。
(大見)メールで事前予約すること。

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