Ⅰ.電気は高度産業技術に基盤を置く現代社会を支える重要なエネルギーです。社会の電気への依存度は
大きくなり,我が国の電気事業の規模は世界的に高い水準にあります。このような電力施設の運用・管理
及び電気事業の運営についての理解を深めると共に,電気事業及び電気施設が関わる法的規制を学びます。
Ⅱ.人類における電気事業の歴史と現状,電気法規の誕生と変遷,電気事業法,電気設備に関する技術基準,
その他の電気関係法規の概要,電力施設の運用と管理の方法を学習します。
Ⅲ.本講義では,このような電力施設の運用・管理及び電気事業そのものについての理解を深めると共に,
電気事業及び電気施設に関わる法的規制を理解します。
Ⅳ.電気主任技術者国家資格を認定によって取得するには,本講義の履修が必要です。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
1.日本の電気事業の歴史及び人類の電気事業の概略史を理解する。
2.電気事業に関する法規制の変遷,及び現行電気事業法の内容を理解する。
3.電気主任技術者の責務,仕事,電気主任技術者として心構えを理解する。
4.電気設備技術基準の内容を理解する。
5.電力設備の運転,保守の実際(施設管理),日本のエネルギー事情を理解する。
電気事業法,施設管理,電気主任技術者,電気設備技術基準,電力設備,電気保安,再生可能エネルギー
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
まず,電気事業の歴史,発展の経過を図及び画像を援用して紹介します。次に,電気事業ではどのような法的規制が行われているかを解説します。さらに,電気技術者の憲法と言われている電気設備技術基準の内容を説明します。最後に,電力設備の運転,管理の実際,及び日本のエネルギー事情を解説します。最終日の後半に,到達度確認試験を実施します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 総論,電気事業の創業・発展と現在の姿,電気法規の変遷 | エジソンが創業した電気事業の事業としての特質の意味,及び教科書第1章の説明 |
第2回 | 電気法規の体系,電気主任技術者制度 | 法体系構成の理解,電気主任技術者の権利と義務,及び第5章の説明 |
第3回 | 電気関係法令,世界の電気事業,再生可能エネルギー,工業標準 | 電気技術者に関係する法律, 世界の配電電圧と周波数,標準規格 及び第5章の紹介と説明 |
第4回 | 電気設備技術基準 前半 | 電気保安における電気設備技術基準の位置づけ,電気設備の障害例,及び第6章の説明 |
第5回 | 電気設備技術基準 後半 | 配電方式,電気機械器具の危険防止,電路の絶縁,電線の接続,接地工事 第6章 |
第6回 | 電力需給計画及び調整 | 電気の生産・流通・販売,最大電力の推移,ロードカーブ,電力需給分析,及び第2章の理解 |
第7回 | 電気施設の建設と運用 | 日本の経済成長の推移,日本の電力系統,電気事業の設備投資,及び第3章の理解 |
第8回 | 電気料金と電気事業会計 到達度確認試験 | 日本の物価指数の推移,貿易収支の推移,電気事業会計規則,電気料金,及び第4章の説明,到達度評価 |
『電気施設管理と電気法規解説』 電気学会 (ISBN 978-4-88686-290-7)を教科書として使用します。
各回の講義資料を学内OCW(OCW-i)にアップロードします。各自でダウンロードし,授業前に目を通しておいてください。
80 %以上の出席率の条件で,到達度確認試験により評価します。
電力工学Ⅰ,電力工学Ⅱを履修しておいてください。
将来,電気主任技術者の国家資格取得を希望される学生の方には,受講を特にお勧めします。
資格取得に際して,国家試験が免除されます。