工学の多くは,解こうとする問題の時空間スケールにおける漸近原理に基づき,支配則が定式化されている場合が多い.そのような場合には,その支配則に基づくシミュレーション等を計算機内のバーチャル空間で行うことが可能であり,工学の多くの分野でシミュレーションが開発され,有効に使用されている.すべての事象が計算機モデルで正しくシミュレーション予測可能であり,導かれた結果は常に正しいと誤解するむきもあるほどである.
設計をはじめとするものつくりにおいては,CAD,CAE,CAM,・・・最近では取扱説明書やパンフレットから保守サービス,廃棄支援に至るまで,CAxとして計算機支援の技術の開発とそれらの統合が図られている.
本科目では,講義形式を主体として,これらの各要素における計算機支援のための枠組み,ものつくりの流れにおける計算機内情報の統合,計算機支援システムとしての基本的要件等を教授する.
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)計算機による援用システムの基本構造を理解し、その活用について判断できる能力を修得する。
2)ものつくりに関連する計算機援用の多様な側面と、それらの間で統合されるべき情報の形式を理解する。
3)三次元CADをベースとした統合データベースの考え方を理解する。
4)高度計算機支援システム環境における人の創造のあり方が重要であることを理解する。
CAD,CAM,CAT,CAE,CAx,設計統合,根拠・論理に基づく設計
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
体系化した講義内容を、毎回トピックスに整理して講義する。また、内容理解のため課題を出し、発表させる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 計算機援用ものつくりシステムの概要 | 自動化、複雑化と最適化 |
第2回 | CAD,CAM連携システム | データ流通 |
第3回 | 計算機援用システムの諸相における属性情報 | 機能と属性表現 |
第4回 | 設計の上流における概念設計とその論理構造 | 機能分解 |
第5回 | 設計におけるパラメータ、属性の根拠ベース化とコスト | 情報共有と理解の方法 |
第6回 | 課題説明と課題の掘り下げ | 体験による理解 |
第7回 | 具体事例・見学 | 体験による理解 |
第8回 | 課題講評 | ディスカッションと反省 |
プリント配布
特になし
レポートによる評価
なし