この講義では音波を用いた計測と画像化における物理的基礎と技術を扱う。本講義の基本的考え方は,電磁波や弾性波による計測に容易に応用できる。波動方程式の解析は音響画像の分解能を理解するうえで必須である。授業ではアレイ信号処理についても述べる。この手法は,音響による画像化に有用なだけでなく,レーダーや非破壊検査の分野においても有用である。医用超音波画像や水中のソーナーの例についても述べる。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
1) 波動方程式の意味と基本的な波動解について説明できる。
2) 波長と観察可能な空間周波数の関係について説明できる。
3) 変換器やアレイからの放射音場について理解する。
4) 医用超音波システムでの画像の形成方法について解析できる。
波動方程式,アレー信号処理,指向性,分解能,遠距離音場
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 波動方程式の導出 | 波動方程式の導出を理解し,平面波と球面波の表現について説明できる |
第2回 | 空間情報の伝搬 (1) | 観測対象の空間周波数について理解する。波動の伝搬速度,周波数,波長,波数の関係について説明できる。 |
第3回 | 空間情報の伝搬 (2), 波動計測と分解能(1) | 波動の波長と観察できる空間周波数の関係について説明できる |
第4回 | 波動計測と分解能(2) | 分解能を決めるパラメータについて説明できる |
第5回 | 遠距離の波動場 | 遠距離の波動場と波源の関係を理解する |
第6回 | アレイ信号処理(1) | アレイによる指向特性を説明できる |
第7回 | アレイ信号処理(2) ,波動信号処理の実例 | 物体の観測に必要なアレイを設計できる |
第8回 | まとめ | 音波を用いた画像の原理について述べることができる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特に定めない。
1) 蜂屋弘之他 「アコースティックイメージング」,コロナ社, ISBN:978-4-339-01115-9
2) 講義資料は講義中に配布する
レポートで評価する
特になし