2018年度 ロバスト制御   Robust Control

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開講元
システム制御コース
担当教員名
藤田 政之 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(S423)  
クラス
-
科目コード
SCE.C402
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 本講義では,ロバスト制御理論の基礎とその解析,設計のための概念を導入する。特にノミナル安定性,ノミナル性能,不確かさ,ロバスト安定性,ループ整形,H∞制御,ロバスト性能に重点を置きながら説明をする.さらに,Robust Control Toolbox(MATLAB)を利用して設計手法を提供し,ロバスト制御に関するより実践的な知識を得てもらう.
 ロバスト制御理論の応用は,航空宇宙システム,化学プロセス,自動車,メカトロニクス,電力ネットワークなど様々な分野に渡って行われている.この講義では,システムのロバスト性,不確かさとH∞制御に重点をおいて授業展開する.H∞制御は,フィードバック系のH∞ノルムを最小にすることで制御対象の変動や不確かさに対する感度を低減させることができる.ロバスト制御はシステム制御理論で最も盛んに研究されてきた分野の一つであることから,これを習得してもらう.

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1)ロバスト制御への動機を説明できる
2)ノミナル安定性とノミナル性能を導出できる
3)システムのロバスト性と不確かさを説明できる
4)ロバスト安定性とループ整形を説明できる
5)H∞制御の基本的知識を持ち,これを用いて多変数フィードバック制御系を設計することができる
6)ロバスト性能の概念を説明できる

キーワード

ロバスト性,不確かさ,ノミナル安定性,ノミナル性能,ロバスト安定性,ループ整形,H∞制御,ロバスト性能

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

各授業においてロバスト制御の基本的な考え方を効果的な例題を用いて導入する.授業内容の理解を促すために,関連した問題を課す.授業前までに予習を行い,授業内容を常に確認すること.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 多変数フィードバック制御系,ノミナル安定性  - 多入力多出力システム,σ-プロット,内部安定性,Q-パラメトリゼ―ジョン 多入力多出力システムの特性とノミナル安定性を理解する
第2回 ノミナル性能 - 感度最小化問題,性能重み フィードバック制御系の性能と感度最小化問題の関係を理解する
第3回 ロバスト性,不確かさ  - 安定余裕,モデル集合,重み関数 モデルに内在する不確かさを理解し,不確かさの表現方法を理解する
第4回 ロバスト安定性,ループ整形,設計制約  - スモールゲイン定理,ロバスト安定化,混合感度問題 ロバスト安定性を導出後,ループ整形の基本的な考え方と混合感度問題,システムに内在する設計制約について理解する
第5回 H∞制御  - 一般化プラント,H∞制御問題,DGKF H∞制御問題に対する解法の流れと基本的概念を理解する
第6回 設計例題 1  - 人工衛星: H∞制御によるフィードバック制御系の設計 H∞制御に関する知識をもとに,Robust Control Toolboxを用いて制御系を設計する
第7回 ロバスト性能  - ロバスト性能,構造化特異値μ,μ解析・シンセシス ロバスト性能の基本概念とμ解析・シンセシスについて理解する
第8回 設計例題 2  - HiMAT: H∞制御によるフィードバック制御系の設計 H∞制御に関する知識をもとに,Robust Control Toolboxを用いて制御系を設計する

教科書

[SP05]S. Skogestad and I. Postlethwaite. Multivariable Feedback Control: Analysis and Design, Second Edition. Wiley; ISBN: 978-0-470-01167-6.

参考書、講義資料等

[ZD97] K. Zhou and J. C. Doyle. Essentials of Robust Control. Prentice Hall; ISBN: 0-13-525833-2.
[M17] Robust Control Toolbox User's Guide R2017a. MathWorks.

成績評価の基準及び方法

不確かさを含むシステムの解析と設計及びそれらの応用について,その理解度を評価
配点は,第1回課題(15%),第2回課題(30%),第3回課題(55%)

関連する科目

  • SCE.C501 : 最適制御
  • SCE.C401 : システムの同定と推定

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

フィードバック制御(SCE.C.202),線形システム制御論(SCE.C.301)を履修していること,または同等の知識があること.

その他

講義HP: http://www.hfg.sc.e.titech.ac.jp/course/ROC/index.html

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