2022年度 システム制御数学A   Mathematics for Systems and Control A

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開講元
システム制御系
担当教員名
早川 朋久 
授業形態
講義 / 演習    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火2-4(W936)  金2-4(W936)  
クラス
-
科目コード
SCE.A201
単位数
3
開講年度
2022年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 システム制御工学を学んでいく上で必須となる数学的ツールを身に付けることを目的として,複素関数論,ラプラス変換,フーリエ変換の基礎を中心に解説します。特に,システムの応答に関して時間領域と周波数領域での考え方の関係性は特に重要です。
 本講義では線形システムを中心に扱い,複素関数の微分積分と解析性,留数定理,ラプラス変換,ラプラス変換の性質,ラプラス変換を用いた微分方程式の解法,周期信号とフーリエ級数,非周期信号とフーリエ変換,フーリエ変換の性質,たたみ込みなどです。
(週2回開講,1回の授業あたり講義2時限・演習1時限を行う)

到達目標

【到達目標】 本講義を履修することによって,複素解析の基礎的事項を学修するとともに,線形システムにおいて信号を時間領域と周波数領域で解析できるようになることを到達目標とします。そのための数学的手段として,ラプラス変換及びフーリエ変換について理解でき,これらの数学的手法をシステム・制御工学で応用できるようになることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,まず複素数領域での演算と関数の微分積分の概念を修得し,これにもとづき線形時不変システムに関する解析手法であるラプラス変換,フーリエ級数,フーリエ変換の考え方を理解することで,システム・制御工学に応用するための基礎を築くことを目的とします。さらに,システムにおいて時間領域と周波数領域の扱い方の基礎を理解し身につけます。

キーワード

複素数,複素関数,解析関数,コーシーリーマン方程式,複素積分,コーシーの積分定理,留数定理,等角写像,ラプラス変換,部分分数展開,最終値の定理,フーリエ級数,フーリエ積分,フーリエ変換

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義の前半で前回の講義内容を復習し,その後その日のトピックについて解説します。また,授業の後半では前回と当日の授業内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。授業後は過去の演習問題に取り組んで自宅学習してください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 複素数とその演算 複素数の定義を復習し,その演算を定義する
第2回 複素平面と極座標表示,オイラーの公式,n次方程式の根,複素関数 複素数の極座標表示を考察し,単純なn次方程式の複素解を求める
第3回 複素関数の極限,連続性,微分可能性,解析性,コーシーリーマン方程式 複素関数の基礎とコーシーリーマン方程式の意味を習得する 複素関数の微分可能性と解析的となるための十分条件を考察する
第4回 複素関数の積分 特異点の性質とその特異点まわりの複素周回積分を計算する手法を学ぶ
第5回 Cauchy-Goursatの定理とCauchyの積分公式 周回積分に関する2つの重要な結果を理解する
第6回 留数定理と定積分 ローラン級数展開から留数を求めるやり方を学ぶ
第7回 複素積分の実関数の積分への応用 実関数の積分値が複素周回積分から求められる場合があることを確認する
第8回 等角写像と一次分数変換 等角写像と一次分数変換の概念とその性質について考察する
第9回 ラプラス変換の基礎 ラプラス変換の定義を行い代表的な関数のラプラス変換を学ぶ
第10回 ラプラス変換と微分方程式:部分分数展開 線形の微分方程式にラプラス変換を適用し解を求める
第11回 特殊関数のラプラス変換と最終値の定理 ステップ関数やインパルス関数のラプラス変換を導出する
第12回 フーリエ級数 周期関数のフーリエ級数展開を学ぶ
第13回 フーリエ積分 非周期関数に対するフーリエ級数展開の拡張を行う
第14回 フーリエ変換 代表的な関数に対するフーリエ変換とその性質を見る

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ本学の学修規程で定められた時間を目安に行います。

教科書

Erwin Kreyszig著 『Advanced Engineering Mathematics』 Wiley

参考書、講義資料等

白井宏著『応用解析学入門』 コロナ社,野木達夫著『基礎工業数学』 朝倉書店

成績評価の基準及び方法

複素解析,微分方程式の基礎とラプラス変換,フーリエ解析の考え方,及びそれらの応用に関する理解度を評価する。中間試験(35%),期末試験(45%),演習(20%)に加えて出席点を加味して成績を評価する。

関連する科目

  • SCE.A202 : システム制御数学B
  • SCE.I201 : 計測・信号処理基礎

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

微分積分学第一と微分積分学第二を履修していること,または同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

hayakawa[at]sc.e.titech.ac.jp, 03-5734-2762

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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