2020年度 システムモデリング   System Modeling

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
システム制御系
担当教員名
-
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(S011)  金5-6(S011)  
クラス
-
科目コード
SCE.C302
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

制御系設計においてシステムモデルの果たす役割が大きいことは論を俟ちません.また,現在制御工学が扱うべき対象は従来型のものを超えて,社会インフラのような大規模システムや生物・人間あるいは人間社会にまで広がりを見せており,このような対象を制御系として視る目を養うことはますます重要になっています.本講義では,まずシステムモデリングの道具立てと設計におけるモデルの使い方から出発し,様々な分野におけるモデリング例を紹介します.また,そこで必要となる離散時間動的システムに関する事項も講述します.さらに,システムモデリングの方法論の一つであるシステム同定について,ARXモデル同定,部分空間同定法について講義します.最後に,システム同定用のソフトウェアであるMATLAB System Identification Toolboxの使い方について講述します.

到達目標

【到達目標】本講義を履修することによって,電気系・機械系といった従来型の狭い対象を超えて,多様なシステムを制御系としてモデリングできるようになることを目的とします.これによって,受講者には,制御工学が広く社会に貢献できる分野であることを実感してもらうことを目指します.また,モデルを求めるための方法をソフトウェアの使い方と併せて講義することで,最終的に受講者が自分の手でシステムモデルを構築できるようになることを目標とします.
【テーマ】本講義では,システムモデリングの概念,方法論およびモデルの利用方法を理解し,モデリングソフトウェアの使い方を修得させることを目的とします.さらに,この目的に必要となる離散時間動的システム論および確率論の基礎事項も講術します.

キーワード

システム、モデリング、ダイナミクス、システム同定、System Identification Toolbox

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

1) 毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。
2) 毎回の授業で出席を取ります。
3) 各回の最後に示されるReading Assignmentについて、予習しておくことが必要です。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 システムモデリングと道具立て ポートフォリオ上での科目位置づけを確認 システムモデリングの概念と道具立てを説明できるようにする
第2回 制御系の中のシステムモデル 制御系設計におけるシステムモデルの使い方を説明できるようにする
第3回 離散時間動的システム 離散時間動的システムの時間領域での表現とその安定性に関する基礎事項を説明できるようにする
第4回 離散時間信号とz変換 離散時間信号の表現とz変換を説明できるようにする
第5回 パルス伝達関数と安定性 離散時間動的システムの周波数領域での表現とその安定性を説明できるようにする
第6回 離散時間システムの周波数特性 離散時間動的システムの周波数特性を説明できるようにする
第7回 モデリング例(1) - 機械系 機械系のモデリング例を知り,対象をシステムとして見る目を養う
第8回 モデリング例(2) - 電気系,情報通信システム 電気系および情報通信系のモデリング例を知り,対象をシステムとして見る目を養う
第9回 モデリング例(3) - 生物系,人間心理,社会システム 生物系,人間心理,社会システムのモデリング例を知り,対象をシステムとして見る目を養う
第10回 確率過程の基礎 確率過程に関する基礎事項を説明できるようにする
第11回 システム同定と同定の手順 システム同定の概念とその手順を説明できるようにする
第12回 ノンパラメトリックモデルの同定 ノンパラメトリックモデルの同定ができるようになる
第13回 ARXモデルのパラメータ同定 ARXモデルの表現を知り、実際にその同定ができるようにする
第14回 部分空間同定 部分空間同定の概念と同定法を説明できるようにする
第15回 SysID Toolboxの使い方 MATLAB System Identification ToolboxのGUIを用いた同定手順を実行できるようにする

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

足立 修一 『システム同定の基礎』 東京電機大学出版局, ISBN 9784501114800

参考書、講義資料等

Karl J. Astrom and Richard M. Murray. Feedback Systems. Princeton University Press, ISBN: 0691135762
松尾 芳樹, ディジタル制御, 昭晃堂, ISBN: 4785690593

成績評価の基準及び方法

システムモデリングの考え方,解法及びそれらの応用に関する理解度を評価する.期末テスト(50%),レポート(50%)を総合して成績を評価する.

関連する科目

  • SCE.C201 : 動的システム基礎
  • SCE.C202 : フィードバック制御
  • SCE.C301 : 線形システム制御論
  • SCE.E202 : 基礎情報処理及び演習(システム制御)
  • SCE.C401 : システムの同定と推定
  • SCE.C402 : ロバスト制御

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

SCE.C.201, SCE.C.202, SCE.C.301, and SCE.E.202を履修していること,または同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

email: hatanaka[at]ctrl.titech.ac.jp
tel: 03-5734-3316

このページのトップへ