最初に信号のデジタル化について講述する.続いて,時間領域と周波数領域をつなぐための離散フーリエ変換を含む直交変換について講述する.さらに,時系列信号の符号化法について実例を含めて講述する.加えて,線形離散時間システム理論に基づくFIR,IIRフィルタの理論と設計を講述する.
周囲や自身の状態に応じて動作する機械やシステムの解析・作成にあたって,計測された信号の解析に関する知識.技術は必須である.
この授業では,信号のデジタル化によって可能となる処理について教授する.
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 時系列の信号に関するデジタル化の概念を理解する
2) デジタル化された信号に施されるフィルタやフーリエ変換などの処理について理解する
3) 以上について実践する技術を修得する
量子化,離散化,デジタル化,線形離散時間システム理論,離散フーリエ変換,符号化法,フィルタ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義と理解を確認するための演習を行う.
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 講義の概要,信号処理の基礎 | 特になし |
第2回 | 線形時不変システム,たたみ込み演算 | たたみ込みに関する課題 |
第3回 | Z変換 | Z変換に関する課題 |
第4回 | 離散フーリエ変換 | 離散フーリエ変換に関する課題 |
第5回 | 離散時間システム,サンプリング定理 | サンプリング定理に関する課題 |
第6回 | 伝達関数,インパルス応答 | インパルス応答に関する課題 |
第7回 | 周波数特性,システムの安定性 | 周波数特性に関する課題 |
第8回 | 高速フーリエ変換 | 高速フーリエ変換に関する課題 |
第9回 | デジタルIIRフィルタ | IIRフィルタに関する課題 |
第10回 | デジタルFIRフィルタ | FIRフィルタに関する課題 |
第11回 | 適応信号処理 | 適応信号処理に関する課題 |
第12回 | 信号の符号化(波形符号化,ベクトル量子化等) | 符号化に関する課題 |
第13回 | 自己相関関数 | 自己相関関数に関する課題 |
第14回 | パワースペクトルの推定 | パワースペクトルに関する課題 |
第15回 | まとめと期末テスト | なし |
特になし
講義資料は各回の授業で配布する.
ディジタル信号処理: 大類重範, 日本理工出版会(2001)
スペクトル解析: 日野 幹雄, 朝倉書店(1977)
講義に関する内容について理解していることを課題の提出,および最終テストによって評価する.
「計測・信号処理基礎」「不規則信号処理」を受講していることが望ましい