プラズマに関する研究開発は近年急速に拡大しており,核融合エネルギー開発,プラズマ/イオン推進,半導体のプラズマプロセスなどの幅広い分野に及んでいる.講義では,プラズマの基本的な概念や特徴に始まり,プラズマ中の荷電粒子や波の挙動,放電で生成された低温プラズマの特徴,高温プラズマの流体的描像,プラズマ中の輸送現象などを取り扱う.プラズマ物理の要点を効率的に学び,プラズマを用いた研究開発に役立つ知識を獲得することを目指す.
この講義を履修することで以下のことができるようになることを目指す:
1) プラズマの基礎的な概念や特徴について説明できる,
2) プラズマ中の物理現象を支配する方程式について説明できる,
3) プラズマ物理の知識をプラズマを用いた研究開発に応用できる.
プラズマ,放電,荷電粒子の運動,弱電離プラズマ,高温プラズマ,電磁流体,核融合
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の始めで,前回の演習問題の解答を解説する.また講義の終わりで,その日の講義内容に関する演習問題に取り組んでもらう.各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習することを強く勧める.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | プラズマの基礎概念:温度の概念,プラズマの定義,デバイ遮蔽,集団的ふるまい,プラズマパラメータ | プラズマの基本的な概念や特徴について説明できる |
第2回 | 単一粒子の運動:サイクロトロン運動,ドリフト運動,ミラー閉じ込め,断熱不変量 | プラズマ中の荷電粒子の運動について説明できる |
第3回 | 低温プラズマの生成:放電,パッシェン則,衝突過程,シース形成理論 | 放電による低温プラズマの生成について説明できる |
第4回 | 流体としてのプラズマ:流体方程式,ボルツマン方程式,ブラゾフ方程式,MHD方程式 | プラズマの流体的描像について説明できる |
第5回 | プラズマ中の波動:プラズマ振動,電子プラズマ波,分散関係式,イオン音波,カットオフ | プラズマ中の波動現象について説明できる |
第6回 | 拡散と抵抗,平衡と安定性:弱電離プラズマ中の拡散,両極性拡散,プラズマ抵抗,レーリーテーラー不安定性 | プラズマ粒子の拡散現象や平衡と安定性について説明できる |
第7回 | プラズマの応用:核融合,プラズマプロセス,イオン源,イオン/プラズマ推進器 | プラズマの様々な応用について説明できる |
授業中に配布された資料をもとに内容を復習すること.
資料を配布する.
F. F. Chen, " Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion, 2nd Ed.", Plenum Press
プラズマ物理の基礎に関する理解度と知識について,毎回授業中に課す小テストと期末試験により評価する.
特になし.
hasegawa.j.aa[at]m.titech.ac.jp, 03-5734-3070
メールで事前予約すること.居室は大岡山キャンパス北1号館305号室.