2016年度 宇宙工学実践プロジェクト   Practical Space Engineering Project

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開講元
機械コース
担当教員名
松永 三郎  中西 洋喜  坂本 啓 
授業形態
講義 / 演習 /実験     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
MEC.M432
単位数
3
開講年度
2016年度
開講クォーター
1-2Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

人工衛星モデルの設計・製作・打上実験を通じて,特に,理論的な考察を可能な限り行う努力を通じて,宇宙工学理論の実践プロセスおよびプロジェクトマネジメントの方法を習得することを目標とする。宇宙ミッションの成功には,理論に裏付けされた綿密な設計・計画のみならず,効率的なプロジェクト遂行力が必要不可欠である.本講義では,これまで習得してきた宇宙工学の知識を総動員し衛星開発・フライト実験に挑む.理論と実践の関係,応用法を十分に理解し,チームによる効率的なプロジェクト遂行力を身に着ける.また、ロケット打上等の調整・交渉、現地報告会等を通じて、多様な文化背景を持つ人々に対して、自分の考えを伝える能力、相手を理解する能力、共同で物事を実施する能力を養う。

到達目標

本講義を履修することにより,以下を修得する.
1) 衛星開発に必要な宇宙工学の基本的な常識・知識を身に着ける.
2) プロジェクトマネジメントの基礎を身に着け,プロジェクトの企画から達成に導くプロセスについて理解し,実行できるようになる.
3) リーダーシップ・フォロワーシップといったチームワーク力を身に着ける
4) 他者・他グループとの交渉を進め,相手を理解し自分の考えを伝える能力を向上させる.
5) 設計,開発,試験で得られた知見を理論的に解析・統合することで,工学としての設計論を取得する.

キーワード

宇宙工学,衛星設計・開発,プロジェクトマネジメント

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

高度なミッションを行うために,CANSATと呼ばれるジュース缶またはミルク缶サイズの人工衛星モデルを設計・製作し,気球投下試験,さらには,講義の範囲外ではあるが,受講者が希望して外部審査に通過することにより,9月に米国で開催されるロケット打上イベントでのフライト実験を実施する.要求される機能・環境試験および外部NPO法人による国内審査(複数回)をクリアするべく作業を進める.基本的に、10人程度を定員とし、設計・製作作業を進める。定期的に開催する講義において、進捗報告、ディスカッション、環境試験、審査会等を実施する他、外部の審査会や合同気球実験等へ参加する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ガイダンス プロジェクトの方針を立てる.
第2回 ミッション設計1 ミッションの概要についてまとめ,進捗を発表する.
第3回 ミッション設計2 ミッションの詳細についてまとめ,進捗を発表する.
第4回 ミッションデザイン審査会(MDR) 完成したミッションプランに対して,教員および上級生の審査を受け,十分な説明を行う.
第5回 機体設計・基礎試験1 設定したミッションを達成する為の機体の基礎設計およびそれに必要な基礎試験について進捗報告しディスカッションする.
第6回 機体設計・基礎試験2 設定したミッションを達成する為の機構の基礎設計およびそれに必要な基礎試験について進捗報告しディスカッションする.
第7回 基本設計審査会(PDR) 基礎設計について,教員及び上級生の審査を受け,十分な説明を行う.
第8回 詳細機体設計・基礎試験 PDRでのディスカッションを基に,機体の再設計・詳細設計を進め,進捗報告およびディスカッションを行う.
第9回 詳細設計審査会(CDR) 打上機体の詳細設計について,教員及び上級生の審査を受け,十分な説明を行う.
第10回 エンジニアリングモデル製作・機能試験・環境試験1 打上機体のエンジニアリングモデルの製作及び必要な試験について進捗報告しディスカッションする.
第11回 エンジニアリングモデル製作・機能試験・環境試験2 打上機体のエンジニアリングモデルの製作及び必要な試験について進捗報告しディスカッションする.
第12回 フライトモデル製作・機能試験・環境試験1 エンジニアリングモデルをベースに,フライトモデルの製作・試験を行い,その結果について進捗報告及びディスカッションを行う.
第13回 フライトモデル製作・機能試験・環境試験2 フライトモデルの製作・試験について進捗報告及びディスカッションを行う.
第14回 気球フライト試験 完成したフライトモデルを気球より投下する実験を行い,設定したミッション目標を達成する.
第15回 成果報告会 プロジェクトの成果についてまとめ,これを発表する.

教科書

配布資料

参考書、講義資料等

配布資料・その他講義中に適宜紹介する

成績評価の基準及び方法

設計・製作・ミッション遂行状況,グループへの貢献度,個人評価,レポートを総合的に評価する。

関連する科目

  • MEC.M433 : 宇宙システムアナリシスA
  • MEC.M531 : 宇宙システムアナリシスB
  • MEC.M434 : 宇宙ロボティクス
  • MEC.M532 : 宇宙システム利用
  • MEC.M533 : 宇宙開発応用A
  • MEC.M534 : 宇宙開発応用B
  • MEC.M431 : 宇宙システムデザイン
  • MEC.M231 : 宇宙工学基礎
  • MEC.M331 : 宇宙システム工学
  • MEC.M333 : 宇宙開発工学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

宇宙工学の基礎知識(宇宙工学基礎,宇宙システム工学,宇宙開発工学履修済み相当)を有することが望ましい.
実習が主となるため、定員以下になるまで、受講初期に、面接、レポート、過去の成績等で選抜する。

その他

原則、開発費等は受講者の自己負担。講義の範囲外であるが、受講者が希望し、外部審査に合格すれば、米国ネバダ砂漠で実施しているロケット打ち上げ実験に参加することも可能であり、その支援を行う。但し、ここでも旅費等は各自負担。

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