2022年度 低温工学   Cryogenic Engineering

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開講元
機械コース
担当教員名
岡村 哲至 
授業形態
講義    (ハイフレックス型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-6(G112)  
クラス
-
科目コード
MEC.E532
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2022年10月3日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 極低温で生じる超電導現象、極低温を利用するための冷凍・冷却技術、断熱技術、冷凍機の原理や応用などについて講義します。また、宇宙工学や水素社会へ向けた低温環境利用例や極低温技術を利用した超電導マグネットや超電導機器についても最新の技術を紹介します。
 量子効果の影響が無視できない、極低温での特異な振舞いである超電導現象の理解、エネルギー有効利用の観点からみた超電導応用についての考察をとおして、超電導の基礎から極低温システムに至るまでの幅広い見識を養うことが目的です。

到達目標

1.超電導現象の性質および極低温発生の原理が説明できるようになる。
2.産業用機器における簡単な熱設計計算ができるようになり、超電導・極低温応用として工学上必要になる技術開発要素を自分なりに見つけ出せるようになる。

キーワード

極低温、超電導、冷凍、冷却

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

 超電導の性質や極低温の発生に必要な専門基礎に関する内容のほかに、超電導現象の発見や冷却技術の発展の過程で、実験でのある失敗が重大な発見のきっかけとなった例、ちょっとしたヒラメキがノーベル賞のきっかけとなった例、逆転の発想が実用化へ結びついた例、高校まで物理で習う理想状態でなく実在の状態(性質)をうまく利用した例なども紹介します。
 また、学部で習う伝熱や熱力学の基礎を、実際の極低温機器の設計に適用する試みとして、電卓を使った演習も行います。
*授業に電卓を持参してください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 絶対零度への道 -人類はなぜ低温を求めたのか- 低温に関する技術の歴史的背景を理解する。
第2回 超電導線・超電導マグネットの性質 -工夫された超電導線とコイル- 超電導線・超電導マグネットの性能向上のための技術開発について理解する。
第3回 極低温冷却 -極低温冷媒- 極低温冷媒を使った冷却システムを理解し、冷却に必要なコストの感覚を養う。
第4回 冷凍の熱工学 -実在気体ゆえに冷える- 極低温冷凍の原理を理解する。
第5回 変わった冷凍技術 -音で冷える・磁石で冷える- ノンフロン冷凍のための新技術を理解する。
第6回 極低温冷凍機 -極低温から室温へ熱を運ぶ- 極低温冷凍機の作動原理を理解し、性能について定量的に評価できるようになる。
第7回 低温維持のための技術 -室温からの熱を断ち切る- 断熱技術を理解し、極低温機器の簡単な熱設計計算ができるようになる。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

教科書はとくに指定しません。

参考書、講義資料等

超電導・低温工学ハンドブック」低温工学協会編、オーム社
「低温工学概論」荻原宏康著、東京電機大学出版局
T2SCHOLAに講義資料を掲載します。

成績評価の基準及び方法

超電導現象の性質と極低温発生の原理の理解、および産業用機器における簡単な熱設計計算ができる能力の評価をします。授業中に出題するレポートで100点満点とします。

関連する科目

  • MEC.E311 : 伝熱学
  • MEC.E201 : 熱力学(機械)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

伝熱に関する講義を履修しておくことが望ましい。

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