2022年度 静粛工学   Silent Engineering

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開講元
機械コース
担当教員名
岩附 信行 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6  
クラス
-
科目コード
MEC.D532
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 本講義では平板の振動によって発生する騒音を定量的に推定し,さらにそれを受動的に低減するための平板の設計手法について説明する。具体的な講義項目は,基礎である平板の振動モード解析と強制振動解析,それらに基づく平板から放射される音響放射パワーの推定手法,平板が音響加振される場合に2次的に放射される音響パワーの推定,音響放射パワーを低減する構造最適化設計手法ならびに振動減衰材の貼付手法について実例とともに講述する。
 機械の運転時に生じる振動とそれによる騒音発生は機械の付加価値に大きな影響を与えるため,振動から騒音への伝播機構を明らかにし,発生する騒音を低減して機械を静粛化することが強く望まれる。工学院機械系の機械力学分野の学修の応用として,振動する平板におけるエネルギー収支に注目し,平板の厳密な振動解析と放射音響解析に基づいて騒音の音響放射パワーの周波数特性の推定を可能にする。さらに,コストパフォーマンスを考慮して機械騒音を低減させる,構造最適設計,振動減衰材の最適設置手法について学び,機械の静粛化の基礎を理解する。

到達目標

 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)平板の振動モード解析と強制振動解析の計算過程の概要を説明できる。
2)振動平板のエネルギー収支と音響放射パワーの関係について説明できる。
3)振動平板からの音響放射パワーの周波数特性の推定手法の概要を説明できる。
4)騒音放射パワーを低減する構造最適化について説明できる。
5)振動減衰材料の原理を説明できる。

キーワード

振動と騒音,音響放射パワー,振動モード解析,強制振動解析,騒音推定パラメータ,騒音低減を目的とする構造最適設計,振動減衰

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の最後に要点をまとめるので,講義内容の復習・理解に努めてほしい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 平板の振動モード解析と強制振動解析手法 - 加振力が作用する平板の曲げ振動応答の各種理論解析手法の紹介 - 平板の振動方程式,振動モード解析,強制振動解析の理解
第2回 各種平板の振動解析例 - 平板の固定条件と振動モード解析結果 - 振動の節と腹,振動モード形状の理解
第3回 振動源による音場の形成 - 点音源と波動方程式 - レーリーの式の理解
第4回 振動平板からの音響放射パワー推定の基礎式 - 振動平板のエネルギー収支と音響放射パワー推定パラメータ - 音響放射パワー推定パラメータの理解
第5回 振動平板からの音響放射パワー推定例 - 矩形板,円板からの音響放射パワーの推定 -   音響放射パワーの周波数特性と固有振動数の関係の理解
第6回 音響放射パワーを低減させる構造最適化 - 板厚調整,リブ/凹み付加による静粛化 - 目的関数と最適化法の理解
第7回 音響放射パワーを低減させる減衰材の貼付 -非拘束型/拘束型制振材貼付による静粛化- 減衰発生機構の理解

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特に定めない。

参考書、講義資料等

講義資料を適宜配布する。参考書として,(1)Vibration Problems in Engineering (Fifth Edition), W. Weaver Jr., S. Timoshenko and D. H.Young, John Wiley and Sons, 1990, (2)鈴木浩平,西田公至,丸山晃市,渡辺武,機械工学のための振動・音響学,サイエンス社,2000を推奨する。 

成績評価の基準及び方法

振動平板の振動解析から音響放射解析を経て音響放射パワーの周波数特性の推定を行う過程ならびにその音響放射パワーを低減する構造最適設計や振動減衰材配置設計の手法を理解しているかを評価する。いくつかの課題に対する提出レポート(100%)により評価する。

関連する科目

  • MEC.D431 : 振動・音響計測特論
  • MEC.D531 : 実験振動モード解析

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

機械力学(MEC.D201)を履修していること,または同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

岩附信行 iwatsuki.n.aa[at]m.titech.ac.jp 03-5734-2538

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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