計算流体力学は,自然科学および工学における流体現象を扱う上で欠かせない先進的な研究ツールである。この講義では,学部で習得した流体力学及び数値計算の基礎知識をもとに,流体力学における数値計算法を習得し,活用できる能力を身に付ける。
本講義では,圧縮性および非圧縮性流れの基本的な数値解法を中心に学習するとともに,その他の高度なトピックも扱う。 学生は,数値解法に関する知識を理解するだけでなく,演習などを通して計算コードを開発するスキルも学ぶ。
非圧縮性流体,圧縮性流体,数値解析,離散化スキーム,有限差分法,有限体積法,コンピュータシミュレーション,プログラミング
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義では,流体力学の支配方程式,離散化手法及び離散方程式の基礎,非圧縮流れの代表的な解法,TVD法とリーマン解法から構成する圧縮性流れの数値解法を中心に説明する。さらに,多相流シミュレーションや高性能計算など計算流体力学分野の新展開についても紹介する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 流体力学の支配方程式 | 流体力学の支配方程式の導出と物理的意味 |
第2回 | 離散化手法(有限差分法,有限体積法,時間前進法),離散方程式(整合性,安定性,収束性) | 離散化手法の基礎,離散方程式の性質 |
第3回 | 非圧縮性流体の数値解法(Mac法,SIMPLE法)、Poisson方程式の解法、マルチグリッド法 | 半陰解法による非圧縮性流体の数値計算 |
第4回 | 弱圧縮性流体計算による非圧縮性流体の数値解法, 格子ボルツマン法、SPH法 | 陽解法による非圧縮性流体の数値解法 |
第5回 | 圧縮性流体の特徴と数値解法の基礎(圧縮性流体の特徴,衝撃波,保存スキーム,空間再構築,TVDスキーム) | 保存スキーム,空間再構築,TVDスキーム |
第6回 | 圧縮性気体の数値解法と応用(オイラー方程式,Riemann解法,高解像度手法の構築) | Riemann解法,TVD解法の圧縮性気体への適用 |
第7回 | 自由界面多相流の数値シミュレーション(一流体モデル,自由界面計算法,表面張力) | 一流体モデル,自由界面計算法,表面張力計算法 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
未定
1. 肖鋒,長崎孝夫:「数値流体解析の基礎 - Visual C++とgnuplotによる圧縮性・非圧縮性流体解析」,コロナ社,2020年
2. Anderson, J.D., Computational Fluid Dynamics - The Basics with Applications; McGraw-Hill, Inc. 1995
3. Hirsch C., Volume 1&2, Numerical Computational of Internal and External Flows; John Wiley & Sons, 2001
4. Ferziger, J.H. and Peric, M., Computational Methods for Fluid Dynamics; Springer, 1999
レポートや演習で成績を評価する。場合によってはプログラミングの練習を行うこともがある。
熱流体力学および数値計算法のの基礎を習得している事が望ましい。