2018年度 高温材料強度学特論   Mechanics of High Temperature Materials

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
機械コース
担当教員名
阪口 基己 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木3-4(I124, G311)  
クラス
-
科目コード
MEC.C531
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2018年4月2日
講義資料更新日
2018年5月23日
使用言語
英語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

航空宇宙分野や発電分野を中心とした多くの産業分野で高温高圧環境にたえる耐熱構造材料が必要とされ,さまざまな金属,合金,セラミック,あるいはそれらの複合材料が用いられている.このような高温材料の材料選定,強度設計,保守管理,寿命予測のためには,材料がどのような負荷を受け,その結果として,材料の中でどのような変形と破壊が生じるかを的確に把握することが重要になる.本講義では,高温強度の支配因子,高温での材料の弾塑性変形挙動,クリープ,高温疲労,熱疲労・熱機械疲労について紹介しながら,高温材料の強化機構やそれに基づく合金設計,余寿命推定方法とその課題について講義する.
この講義では,高温であるがゆえの特殊さを意識しながら,高温強度の支配因子,高温での材料の弾塑性変形挙動,クリープ,高温疲労,熱疲労・熱機械疲労について理解し,高温材料の強化機構やそれに基づく合金設計,余寿命推定方法の今後の課題と解決策を考察する方法を習得する.

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を習得する.
1)高温材料が置かれる使用条件の過酷さを説明できる,
2)高温環境での変形・破壊メカニズムを説明できる,
3)変形・破壊メカニズムに対する理解を通して,高温材料の損傷評価と寿命推定法について説明できる,
4)高温材料の強度設計の基礎を理解し,最近の技術課題について説明できる.

キーワード

高温材料,金属,合金,セラミックス,変形,破壊,弾性変形,塑性変形,クリープ,疲労,熱疲労,合金設計,強度設計,損傷評価,余寿命評価

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の中で適宜演習を交えながら授業をすすめる.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 高温とは - 高温材料が受ける負荷 - 高温材料が受ける損傷 ―高温材料強度学の難しさ 高温材料の用途とその使用環境について理解する,
第2回 高温強度の支配因子 ―耐熱金属材料の種類と用途 ―高温材料の強化機構 実用化されている耐熱金属材料の種類とその用途を知る,各種耐熱金属材料の強化機構を理解する.
第3回 高温における材料の変形挙動 - 高温での引張特性 - 高温材料の弾塑性変形挙動 - 高温材料のクリープ変形挙動 高温での引張特性と許容応力について理解する.高温での降伏条件と繰返し負荷下での弾塑性変形の基礎について理解する.クリープ変形挙動の基礎について理解する.
第4回 高温での応力ひずみ構成式 - 応力ひずみ関係の基本的な考え方 - クリープ変形と応力緩和 - 弾性追従機構 材料の変形を支配する応力ひずみ関係の基礎について復習し,クリープ変形と応力緩和,弾性追従機構について理解する.
第5回 熱応力と熱疲労 - 熱応力 - 熱疲労 - 熱応力ラチェット 熱応力と熱疲労について,その原理と現象論を理解する.
第6回 高温疲労 - 疲労損傷の基礎 - 高温材料の疲労 疲労損傷の基礎と高温材料の疲労破損について理解する.
第7回 クリープ損傷とクリープ疲労 - クリープ損傷の基礎 - クリープと疲労の相互作用 クリープ損傷の基礎とクリープ疲労破損について理解する.

教科書

必要に応じて指定する.

参考書、講義資料等

必要に応じて指定する.

成績評価の基準及び方法

中間レポート(50%)と最終レポート(50%)で評価する.

関連する科目

  • MEC.C201 : 材料力学
  • MEC.C211 : 弾塑性力学
  • MEC.C331 : 材料強度学(機械)
  • MEC.C431 : 複合材料力学特論
  • MEC.C432 : 構造健全性評価学特論
  • MEC.C433 : 固体動力学特論
  • MEC.C434 : 製造物の安全性とユーザの安心の科学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

原則として材料力学分野の400番台科目(MEC.C431複合材料力学特論,MEC.C432構造健全性評価学特論,MEC.C433固体動力学特論)の単位を修得していることを前提とする.ただし,学士論文や修士論文の研究テーマによっては履修を認める場合もある.

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

阪口基己(sakaguchi[at]mep.titech.ac.jp)

オフィスアワー

メールで事前に予約すること.

このページのトップへ