接合は二つの部品が接合界面を介して結合力が生まれている状態である。結合力を生み出すためには何らかのエネルギーが使われ、結果として接合界面に組織が形成される。組織の作り方が機械としての信頼性、安全性、耐久性、耐熱性、耐腐食性を左右してしまうので、現在の接合手法と製品とをからめて講義する。その後に,近年重要になりつつある接着接合技術に関して解説を行う.具体的には,表面処理,接着剤の選定,接合部の力学的設計,耐久性の評価・保障,および接合機器システムに関する内容について学習し,機械技術者として必要な接着接合技術に関する知識を習得する.
工業製品の製作には,部品間の接合が必須である.本授業では,接合工学の全体像を始めに示し,,特に溶接やろう接に関する概略的な知識を取得する.その後に,近年重要になりつつある接着接合技術に関して解説を行う.具体的には,表面処理,接着剤の選定,接合部の力学的設計,耐久性の評価・保障,および接合機器システムに関する内容について学習し,機械技術者として必要な接着接合技術に関する知識を習得する.
本講義を履修し、次の知識を得る。
1.接合に使用されるエネルギー源とエネルギー源の特長が分類できるようになる。
2.溶接、ろう接、拡散接合、摩擦接合の接合界面組織形成が理解できていて、製品の接合手法について合理的に説明ができる。
3.界面組織状態から信頼性、安全性、耐久性、耐熱性、耐腐食性を説明できるようになる。
4.表面処理,接着剤の選定,接合部の力学的設計,耐久性の評価ができるようになる。
接合、溶接、摩擦接合、表面処理、接着、界面組織、信頼性、耐久性、耐熱性、耐食性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
冶金、化学の知識から機械工学への展開へ導く8回の講義で構成されている。解析の代表的手法が説明される。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 接合工学とは | 熱源の準備 |
第2回 | 液相接合(溶接・ろう接) | 移動線熱源の扱い |
第3回 | 固相接合(拡散接合・摩擦攪拌接合) | 粒界の考え方 |
第4回 | 機械的締結,その他の接合手段 | 接合と機械システムのメンテナンス |
第5回 | 接着・表面処理 | 接着のメカニズム、表面の状態の理解 |
第6回 | 接合部の力学(1)(静的力学,衝撃) | シアラグモデル、動的モデルの理解 |
第7回 | 接合部の力学(2)(疲労・クリープ) | 接着剤固有の特性に関する理解 |
第8回 | まとめ | 接合部設計の方針 |
大中逸雄,荒木孝雄,溶融加工学,コロナ社
・原賀康介,高信頼性接着の実務,日刊工業新聞社
・原賀康介,高信頼性を引き出す接着設計技術-基礎から耐久性、寿命、安全率評価まで-,日刊工業新聞社
液相接合についての理解度、固相接合についての理解度、界面歪とその記述についての理解度
機械材料学