2023年度 エネルギーシステム経済論   Economy of energy system

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開講元
エネルギーコース
担当教員名
時松 宏治  分山 達也  大友 順一郎  錦澤 滋雄  後藤 美香  江藤 諒 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4  
クラス
-
科目コード
ENR.A408
単位数
1
開講年度
2023年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2023年9月13日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

講義の概要は次の通りである。エネルギー技術を社会において利用する段階において、様々な側面で評価することが求められる。本講義では、エネルギーの技術に立脚した評価のための基礎概念、理論やツールを簡単な実例を織り交ぜて、関連各分野のエッセンスをコンパクトに紹介する。これにより卒業後の実務、あるいは、更なる専門性を磨く進路選択の基礎情報とする。具体的分野としては、経済(経済性工学、費用便益分析)、システム(ライフサイクルアセスメント、計量分析、システム工学)、社会(導入普及、合意形成)の3側面を扱う。これら学問分野の有機的な関連、共通する分析手法などに注意を払った講義を行う。
 講義のねらいは、出身と卒業後進路が多様な受講者に対し、基礎知識の前提を必要とせずに概念を理解し、講義において学習した概念を卒業後に思い出して、業務遂行の知識やツールボックスの基礎を与えることにある。本学においてエネルギーと社会経済の接点となる基礎的内容を説明するのは本講義のみであり、卒業後の実務に役立つよう構成している。多くの学生諸君に受講を勧める。講義選択に資するよう、以下に講義ラインナップを記す。なお講義順番は講師の都合で決まる。

1. 経済性工学(大友順一郎(融合系))
 エネルギー技術を例に、技術経済性分析の基礎を説明し、その基礎概念を理解する。

2. 費用便益分析(時松宏治(融合系))
 エネルギー技術や地球温暖化緩和策などを例に挙げ、費用便益分析を説明する。社会的費用や費用便益分析などの概念を理解する。

3. ライフサイクルアセスメント(江藤諒(日本エネルギー経済研究所))
 LCAの方法論である積み上げ法、マトリックス法、産業連関分析法を説明し、エネルギーシステムのインベントリー分析の適用例を説明する。ライフサイクルでの製品や技術のエネルギー消費とCO2排出量の計算方法を理解する。

4. エネルギー計量分析の基礎(後藤美香(イノベーション科学系))
 理工学と社会経済でのエネルギーの違い、熱量換算表、一次と二次エネルギー、発電熱効率、エネルギーバランス表の読み方を説明する。社会経済でのエネルギーフローの理解への導入とする。

5. 再生可能エネルギーの導入普及(分山達也(融合系))
 再生可能エネルギーの導入普及と拡大は社会的要請が極めて高まっている。電力システムを中心として再生可能エネルギーのシステム分析に関するモデリング手法を理解する。

6. エネルギー技術導入の合意形成(錦澤滋雄先生(融合系))
 エネルギー技術を社会実装する際には、意思決定に際して、様々なステークホルダー間の合意形成が必要とされる。再生可能エネルギー技術の導入の実例として風力発電等を中心とした説明を通じて 理解する。

7. エネルギーシステム分析(時松宏治)
 経済性工学、エネルギーの計量分析を動員するシステム分析の簡略な実例を説明する。経済効率的なシナリオ策定の持つ意味、有用性、限界を理解する。

到達目標

 本講義を履修することによって、次の能力を修得する。
1)エネルギーシステム・経済分野において、広く扱われる概念や理論を理解し、説明することができる。
2)様々な分野におけるエネルギー問題に対する課題設定と、それへの解決策に対し、講義内容の適用を行うことができる。

キーワード

エネルギーシステム、経済性工学、ライフサイクルアセスメント、計量分析、導入普及、合意形成

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

各講義の最初は基礎的な内容を踏まえた上で、その日の授業内容を深堀します。授業は「ライブ型(Zoom)」。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 講義概要説明、エネルギー関連の費用便益分析 費用便益分析の基礎概念が説明できる
第2回 再生可能エネルギーと電力システムのモデリング 再生可能エネルギーを利用する電力システムのモデリングの基礎概念が説明できる
第3回 エネルギー技術導入の合意形成 技術導入の合意形成が説明できる
第4回 技術経済性分析 技術経済性分析の基礎概念が説明できる
第5回 ライフサイクルアセスメント LCAの分析ツールと適用方法が説明できる
第6回 エネルギー計量分析 エネルギー計量分析の基礎が説明できる
第7回 エネルギーシステム分析 エネルギーシナリオ策定の意味が説明できる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

各回講義資料を配布。また各回講義において参考書が紹介される。

成績評価の基準及び方法

毎回の講義内容の要約(10点×7回)、講義課題30点(7回の講義から出される課題うちの1つを選択して提出)

関連する科目

  • GEG.E421 : エネルギーと環境 第1
  • GEG.S402 : 資源環境技術のシステムと経済学概論
  • ENR.B436 : エネルギー経済・政策特別講義

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

tokimatsu.k.ac[at]m.titech.ac.jp、045-924-5533(常時携帯へ転送、通話可能時に受信)

オフィスアワー

定まった曜日時間帯はないので、メール連絡すること。大岡山、すずかけ台、田町など随時面談可能。

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