核セキュリティについて経緯と法的枠組み、核物質及び放射性物質の特性とその重量・放射線量や不正利用価値(Attractiveness)に基づく等級別規制、物理的防護システム設計と評価、安全性と核セキュリティ・核不拡散の共通性と相反性、安全文化と核セキュリティ文化について解説する。核不拡散について経緯と法的枠組み、核物質の臨界特性・有意量と転換時間、保障措置と科学技術、計量管理、我が国の貢献、包括的核実験禁止条約、及び核拡散抵抗性について体系的に整理し解説する。具体的な課題に対してグループワークを通じて規制の合意形成方法について理解を深める。
本講義を通じて、核不拡散・核セキュリティに関わる経緯と法的枠組み、保障措置や物理的防護システムの概要と重要な科学技術の解説を通じて、原子力システムへの脅威と措置を俯瞰的に捉える視野の修得を目的としている。
核不拡散、核セキュリティ、保障措置、計量管理、物理的防護システム、規制の合意形成プロセス、アクティブラーニング
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義およびグループワーク
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 講義概説: 核不拡散と核セキュリティ | 講義概説を通じ、核不拡散と核セキュリティを俯瞰する視点の重要性を説明する。 |
第2回 | 核不拡散 (1): 経緯と法的規制枠組 | 核不拡散の世界の歴史、国際情勢、法的枠組みを説明する。 |
第3回 | 核不拡散 (2): 保障措置の概説 | 核不拡散の重要な措置の一つである保障措置の全体像を説明する。 |
第4回 | 核不拡散 (3): 保障措置と科学技術 | 核不拡散の重要な措置の一つである保障措置を支える科学技術を説明する。 |
第5回 | 核不拡散 (4): 計量管理 | 保障措置の核である計量管理と統計的不確かさ評価手法を修得する。 |
第6回 | 核不拡散 (5): 日本の経験と貢献 | 核不拡散に対する我が国の貢献を説明する。 |
第7回 | 核不拡散 (6): グループワーク | 仮想核燃料サイクル情報を用いたロールプレインググループワークを行いアクティブラーニングを行う |
第8回 | 核不拡散 (7): 包括的核実験禁止条約 | 包括的核実験禁止条約と実施を説明する。 |
第9回 | 核セキュリティ (1): 経緯と法的規制枠組 | 核セキュリティの経緯と法的規制枠組みを説明する。 |
第10回 | 核セキュリティ (2): 脅威評価と物理的防護措置設計 | 物理的防護措置設計の基本となる脅威の設定方法を説明する。 |
第11回 | 核セキュリティ (3): 物理的防護システムの設計 | 物理的防護システムの設計方法を修得する。 |
第12回 | 核セキュリティ (4): 物理的防護システムの評価 | リスク論に基づき物理的防護システム設計の評価と改善方法を修得する。 |
第13回 | 核セキュリティ (5): グループワーク | 仮想施設情報を用いたロールプレインググループワークを行いアクティブラーニングを行う |
第14回 | 核セキュリティ (6): 核セキュリティ文化, 原子力安全・核セキュリティ のインターフェース | 核セキュリティ文化, 原子力安全・核セキュリティ のインターフェースを解説する。 |
第15回 | 総合討論 | 本講義を総括し総合討論を行う。 |
IAEA Nuclear Security Series No. 13 (INFCIRC/225/Revision 5)
IAEA Nuclear Security Series No. 21
IAEA INFCIRC/153 corrected
IAEA INFCIRC/540 corrected
IAEA Nuclear Security Series No. 13 (INFCIRC/225/Revision 5)
IAEA Nuclear Security Series No. 21
IAEA INFCIRC/153 corrected
IAEA INFCIRC/540 corrected
木村直人著 核セキュリティの基礎知識ー国際的な核不拡散体制の強化と日本のとるべき対応
The Evolution of IAEA Safeguards
https://www-pub.iaea.org/books/iaeabooks/5264/The-Evolution-of-IAEA-Safeguards
レポート、テスト
「原子力安全工学」や「核時代の国際政治と核不拡散」を履修した学生の履修を想定していることが望ましい。
原子力規制人材育成事業(ANSET)における修了認定のための必修科目である。
http://www.ne.titech.ac.jp/kiseijinzai/jp/index.html