緊急事態発生時の危機管理について広く学外からの原子力分野以外も含めた専門家からの講義を受け、危機管理の在り方・日本における危機管理体制とその問題について理解を深める。
博士後期課程学生の履修を想定している。
危機管理の在り方の理解
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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尾本:電力会社原子力部門でのリスク管理実務経験は「危機管理に関するフレームワークと公的機関の役割」講義に関連 野嶋: ジャーナリストとしての海外駐在経験がパンデミック対応の背景にある強さの認識を助け、「Pandemicにおける危機管理」講義に関連 富永:東芝におけるサイバーセキュリテイと危機管理における情報インフラの実務経験は「「サイバーセキュリテイと危機管理における情報インフラ」講義に関連 板橋:公共政策調査会におけるセキュリティに関する実務は「国際テロ情勢、テロ対策、核セキュリティ」講義に関連 |
危機管理
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義・討議・演習
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | (5月22日 (土) 8:50-10:30) 危機管理に関するフレームワークと公的機関の役割 | 目標:危機管理に関するフレームワークと公的機関の役割を理解し議論できる様になること |
第2回 | (5月22日 (土) 10:45-12:25) Pandemicにおける危機管理 | 目標:国レベルでの危機管理体制のあり方をPandemicを例に理解しそのあり方について議論できる様になること |
第3回 | (5月22日 (土)13:30-15:10) 原⼦⼒防災における福井・敦賀モデル | 目標: オフサイトの原子力防災のあり方を福井・敦賀モデルを例に理解しどうあるべきかを議論できる様になること |
第4回 | (5月23日 (日) 8:50-10:30) リスク管理とコミュニケーション | 目標:リスクコミュニケーションの3領域(crisis, consensus, care)を良好事例およびどうあるべきかを含め理解し議論できる様になること |
第5回 | (5月23日 (日)10:45-12:25) サイバーセキュリテイと危機管理における情報インフラ | 目標:原子力発電所のサイバーセキュリテイについて脆弱性と対策について理解し議論できる様になること。また、機器対応に際して必要となる情報インフラを福島第一事故の知識をベースにして理解し議論できる様になること |
第6回 | (5月23日 (日)13:30-15:10) 国際テロ情勢・テロ対策・核セキュリテイ | 目標:テロの趨勢、テロ対策の現状とあり方、原子力安全と対比した核セキュリテイ問題の構造を理解し議論できる様になること |
第7回 | (5月23日 (日)15:25-17:05) 討議および演習 | 目標:特定の問題についての討議と危機管理演習によって危機管理にとって重要なコミュニケーション能力を涵養すること |
無し
ジャレド・ダイアモンド「危機と人類」日経ビジネス人文庫, 2020
ナシム・ニコラス・タレブ「反脆弱性」ダイヤモンド社, 2017
ISO 標準22301, 22320, 22325
伊藤哲朗「国家の危機管理:実例から学ぶ理念と実践」(ぎょうせい)
IAEA GSR Part7 “Preparedness and Response for a Nuclear or Radiological Emergency”
WHO Health Emergency and Disaster Risk Management framework
野嶋剛「なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか」(扶桑社新書)
アイアン ミロフト「危機を避けられない時代のクライシス・マネジメント」徳間書店
林信行+山路達也「Googleの決断思考」ポプラ新書
東京商工会議所 「危機管理対応マニュアル」
IAEA Nuclear Security Series 22 “Cyber Security for Nuclear Security Professionals”
“Terrorism and the Electric Power Delivery System”, 全米科学アカデミー
Chatham house report “Cyber Security at Civil Nuclear Facilities”
討論への参加の程度とレポートにより理解と課題は握力と洞察力を調べる
リスクとリスク管理の理解と知識